長山大路は、少しでも時間をとれるとき、自宅近辺にある多摩川沿いの10キロコースでジョギングをしている。1年ほど前に、ダイエットを目的に走り始めたというが、いつの間にか、「汗を流しながら仕事の考えを整理する」ための、貴重な時間になってきた。
今年4月、三井情報のプラットフォームソリューション事業本部第二技術部第二応用技術室の室長に就任した長山は、一人ひとりで動いている技術室メンバーの行動をまとめ、最良のソリューションを生み出すチームづくりに取り組んでいるところだ。「横断的に知恵を出し合って、当社の強みを発揮したい」。長山は、チームビルディングはもともと得意ではなかったという。「仕事を渡されて、いかに自分一人でこなせるかを考える」ことを、長年のワークスタイルとしてきたそうだ。
しかし数年前、長山の働き方が根本的に変わる。「その時に所属していた部署のメンバーから学んだ。まずは、プロジェクトの成功に何が必要か、何が不足しているかを分析する。次に、足りないモノやスキルを手に入れて、チームの体制を組み上げる」。長山は、昔は単独でやり遂げようとして月に100時間以上の残業をしたことも珍しくなかったというが、今は、「自分一人でできない規模の仕事にこそ、やり甲斐を感じる」のだ。
三井情報に入社して今年で10年。「今後は、特定のお客様に深く入り込み、一つの技術分野にこだわらず、包括的にビジネスを展開していきたい」とビジョンを描いている。
長山は、多摩川沿いを走りながら、最強のチーム構成について考えをめぐらす。今年の目標はフルマラソンに挑戦することだという。(文中敬称略)
プロフィール
(ながやま だいじ)1975年、東京都生まれ。98年、東海大学工学部電気工学科卒業後、電子デバイス商社のIT販売部門でサーバー/ネットワークのエンジニアとして勤務。2000年にネクストコム(現三井情報)に入社、ISP/通信キャリアの商用ネットワークを中心にプリセールスから設計・施工を担当する。