日立製作所に入社してソフトボール部に所属した寒河江智恵子は、平日の午前中に会社で仕事、午後から夜まで練習、週末に試合という日々を送っていた。選手時代は、シャープなバッティングが売り物の強肩捕手として活躍。マネージャー時代は、持ち前の明るさと笑顔でチームを支えた。
ソフトボール部を退部した後は、統合システム運用管理ソフト「JP1」に関するグローバル対応のカタログ・拡販資料の制作業務を担当することになった。学生時代からソフトボールに明け暮れ、日立製作所に入社した後もソフトボール漬けの生活を過ごしていたこともあって、「ITに関しては、きちんと理解していないことが多い」と認める。エンジニアの多いソフトウェア開発部門のなかでは異色の存在かもしれない。しかし、だからこそ「日常の生活のなかで、何気ないところにもITが使われていて便利だと感じることが多い」と、ITの恩恵を肌で実感できる。仕事でも、いかに「JP1」が便利なのか、使えばどのようなメリットを享受できるのか、ということをユーザー企業の目線に立ってわかりやすく伝えることができる。さらに、「国によって文化が違うので、カタログの内容やデザインなどを、その国に合わせて制作することが大切」ともいう。日本では、「JP1」はコスト削減のツールとして使われることが多いが、日本以外のアジアでは生産性向上のために導入されるケースが多い。このような文化の違いを踏まえながら、グローバル拠点の営業担当者と積極的にコミュニケーションを図り、最適な販促物に仕上げている。
文化の違いを理解するにつれ、「いろいろな国を飛び回ってみたい」という気持ちが湧きあがってきたそうだ。各国のユーザー企業を訪問して「JP1」のすぐれた点を訴求したいと、目を輝かせる。(文中敬称略)
プロフィール
寒河江 智恵子
寒河江 智恵子(さがえ ちえこ)
1987年生まれ。山形県東根市出身。05年3月、山形北高校を卒業後、日立製作所に入社。企画部門で事務補助の業務に携わりながら、ソフトボール部に所属。選手とマネージャーを経験する。09年、ソフトボール部を退部し、ITマネジメントソリューション開発部で「JP1」のグローバル販売企画担当として、JP1の海外ビジネス向けセールスマテリアルの企画・制作に従事。現在に至る。