エンジニアの亀井美香は、Linuxを愛してやまない。現在、「Asianux Server==MIRACLE LINUX」の開発やテクニカルサポートなどを手がける。仕事だけでなく、プライベートでもLinuxとかかわり、学生時代からユーザーコミュニティに参加している。一緒にミラクル・リナックスで働く夫の亮児さんとはコミュニティで出会い、現在も昼夜を問わず、Linuxについて語り合う仲だ。Linuxは、彼女にとって生活の一部となっている。
小学生のときにプログラミングを始め、入社前にはOSをカスタマイズできるほどの技術をもっていた。その技術を高く評価した夫が、自分の勤める会社に紹介したことが入社のきっかけだった。当時から、亀井ほど腕の立つ女性エンジニアは、ほかにはいなかった。
現在は、商用のLinuxディストリビューションについて開発からサポートまでの全工程を手がけることができる。「日本では、彼女だけにしかできない」と夫は誇らしげだ。それだけでなく、会社は保守・サポート業務の多くを彼女に任せ、バグフィックスのためのアップデート情報の提供数は社内でNo.1。
「Asianux」事業は、以前は10人ほどで運営していたが、今では亀井が一人だけで切り盛りしている。彼女は、会社にとっての貴重な財産だ。
そんな亀井は、見た目やしぐさが控えめで、実は恥ずかしがり屋。決して自慢話を進んでするようなタイプではない。しかし、自然と周りに影響を与えている。
これまで、社内に女性エンジニアは亀井1人だけだったが、今年度、2人目となる新人が入社した。彼女は東北大学の後輩で、亀井にあこがれて入社を決意したのだという。そのことについて亀井に聞くと、「そんなことはないです」と頬を少し赤らめて、謙虚な姿勢をみせた。(文中敬称略)
プロフィール
亀井 美香
亀井 美香(かめい みか)
1973年生まれ。小学生のときにプログラミングを始める。東北学院大学教養学部を首席で卒業後、東北大学文学部に3年次編入し、研究室でLinuxと出会う。卒業後は、同大学の大学院に進み、Linuxのユーザーコミュニティで出会った男性と結婚。大学院は中退した。07年、夫の紹介がきっかけでミラクル・リナックスに入社した。