森本真里は、2013年の「Microsoft Worldwide Partner Award」で、日本人で唯一の個人賞(Sales Specialist of the Year)を獲得した。営業向け資格である「Microsoft Sales Specialist」の取得を自社の全国のアカウント営業担当者に勧めて、マイクロソフトソリューションを提案して受注するまでのリードタイムを大幅に短縮したことが評価された。
森本は、MS部の部長を務めながらも、マイクロソフト製品にこだわりをもっているわけではない。「顧客の目線に立って商材を提案することを心がけている」。マイクロソフトソリューション&クラウドセンター長を担当していたときには、マイクロソフト製品の魅力を一方的にアピールするのでは顧客の反応が鈍いとみて、クラウドサービス「Office 365」と「Google Apps」の比較検証セミナーなどを発案した。ユーザーが実際のサービスに触れながら、自社に最適なものを選択できるようにしたのだ。これによって、結果的にマイクロソフト製品の成約率を2倍に引き上げることに成功した。
全国の営業担当者に「Microsoft Sales Specialist」の取得を勧めたのも、アカウント営業の目線に立ってのことだ。森本は社内で最初に資格を取得し、その効用を実感していた。だから、「資格の取得が目的だったわけでない。アカウント営業の提案の幅を広げて、顧客への説明力を向上させることを狙っていた」。ただ単に、トップダウンで資格を取得するように指示しても、部下はなかなかその気にはなってくれない。森本がアカウント営業の視点に立って、メリットを訴求したからこそ、協力を仰ぐことができたのだ。そして、そのことが今回の受賞に結びついている。(文中敬称略)
プロフィール
森本 真里
森本 真里(もりもと まり)
1974年1月1日生まれ、東京都出身。96年3月に玉川大学電子工学科を卒業し、同年4月、富士ソフトに入社。営業推進グループで経験を積んだ後、10年1月にシステム開発事業グループMSユニットディビジョン長兼マイクロソフトソリューション&クラウドセンター長となり、12年1月に現職に就いた。趣味は、愛犬(マルチーズ)の散歩。本人曰く、「疲れたときには、愛犬に話しかけて、気分をリフレッシュしている」。