受託ソフト開発やデータセンターなどの運用管理を事業の柱としてきたニスコムは、省電力化など、エネルギー管理をテーマとする新規事業に乗り出している。その担当チームを率いるのが、笹本敬だ。
新規事業で初めて具体的なかたちになった案件が、今年9月に発表したラリタン・ジャパンとの販売パートナー契約の締結だ。もともと笹本は、主力のITインフラ運用サービスの営業を担当し、社内でも有数の成績を上げていた。中小企業診断士の資格も取得し、単に自社の技術を売り込むだけでなく、ユーザーの経営にどんなメリットを提供できるかという視点でニーズを汲み取り、新規案件を多数獲得してきた。その経験とスキルを、新規事業のリーダーとしても最大限に活用している。
「東日本大震災以降の電気料金の値上げは、ITシステムの運用コストに大きく跳ね返り、企業経営を圧迫している」と話す笹本。ニスコムの運用管理ノウハウとラリタンの製品力を融合すれば、新しい市場を開くことができると確信していた。そんな熱い思いが、電源管理ソリューションでは世界有数のベンダーであるラリタンと協業関係を結ぶことに成功した要因だ。
エネルギー管理事業は、当面、エンタープライズ向けに展開していくが、笹本は、その向こう側に大きな夢を抱いている。それは、エネルギー管理を含むITソリューションを中小企業にも提供し、その経営を支援することだ。ニスコムに転職する前に所属していたのは、日本のものづくりを支える先端技術をもつ中小企業。何年か前に、この企業が倒産したことを知った。「ショックだった。日本の企業の99.7%は中小企業で、彼らが日本の産業を支えている。ITは、もっともっとそうした企業を支援できるはず」と力を込める。(文中敬称略)
プロフィール
笹本 敬
笹本 敬(ささもと けい)
1974年6月生まれ。東京都出身。1998年、中央大学商学部を卒業後、大塚商会に入社。コピー機、プリンタ、FAX、複合機などOA機器の営業に携わる。およそ2年間勤務した後、転職。電子部品の加工技術を展開する中小企業を経て、2004年5月、ニスコムに入社。当初は、データセンターや企業のITシステムなどの運用サービスの営業を担当した。現在は、エネルギー管理分野の新規事業で、企画、営業チームを率いる。