高身長(180cm以上)と高学歴(京都大学大学院修了)に加え、肩書きは「最高技術責任者(CTO)」である。瀧下浩は「二高」と「一最高」を備えて、サイオステクノロジーグループのグルージェントで、クラウドインテグレーション(CI)事業を率いている。
奈良県出身で、勤務地が大阪。スマートな外見からは少し信じがたいが、瀧下は、「夜の飲み会ではバリバリの関西弁をしゃべって、浪速のおっちゃんになる」そうだ。
グルージェントは、「Google Apps」の構築や周辺サービスの提供を手がけている。従来型のシステムインテグレーションからクラウドに特化した構築事業に舵を切り、懸命にユーザー企業の獲得に取り組んでいる。
CTOの瀧下のミッションは、大きく二つある。社内で技術者のクラウドに対するマインドを高めて「こういうものをつくりたい」と彼らの発想力を育てることと、ユーザー企業に対して、稼働率99.9%でまれに止まってしまうクラウドシステムへの理解を深めることだ。テレビ会議を活用したり、出張したりして、大阪をベースとしながら、全国対応を徹底している。
グルージェントの技術者は個性が強く、クラウド構築について「Aのほうがいい」「いやBだ」と、熱い議論を戦わすこともあるそうだ。そんな際に、瀧下は「大きな道を見よう」と呼びかけて、エンジニアの考えをまとめていく。「当社の技術力に関しては揺るぎない自信をもっていて、心配していない。道をはずれないように、方向性を見守ることに集中したい」として、技術者の統括に力を注ぎ、クラウドインテグレーション事業を成長させることを肝に銘じている。(文中敬称略)
プロフィール
瀧下 浩
瀧下 浩(たきした ひろし)
京都大学大学院を修了後、2003年4月、ITベンチャーの四次元データ(現シナジーマーケティング)に入社。08年、同社を退職し、ITを利用した教育ベンチャーを設立。その後、IT研修事業を手がけるフルネスの取締役を経て、11年6月、グルージェントに入社。12年4月に取締役に就任した。