30代になってからは、「新規事業」とともにキャリアを積んできた。新たな製品・ソリューションを市場に投入し、いかにマネタイズするか。目黒学は、マーケティングという仕事を通じて、事業のあり方をゼロからデザインすることこそが、自らの本当にやりたい仕事だと確信している。「人の敷いたレールに乗って仕事をするのは、やりづらい。自分でルールを決められるほうがいい。要するに、勝手なんです」と笑う。
リモートコントロール技術を核とするソリューションベンダーのインヴェンティットは、今期、新規事業であるM2Mソリューションの売り上げを大きく伸ばした。その原動力の一つが、同社の誇るエンジニアの精鋭たちを巧みに動かした目黒の働きだ。「倉庫、物流の温度管理や、EVステーションの管理などを手がけてきたが、一つひとつのプロジェクトの規模が大きい。通信モジュールやセンサなどが安価になり、エネルギー管理の分野を中心に、今までできなかったことがどんどん実現していて、社会を変えているという実感をもつことができる」。目黒は、M2M事業に対して、今まで手がけてきた事業以上に大きなやりがいとポテンシャルを感じている。
新規事業のデザインで、目黒が強く意識しているのは、ソリューションの「売り方」だ。20代の頃、ITベンダーで営業の現場を経験し、「“ITゼネコン”という言葉に代表される日本のIT産業の構造は、IT導入のメリットをわかりにくくし、結果として誰も得をしないシステムを多く生み出している」と痛感した。その現状を変えるために重要なのは、マーケティングという販路の最上流で、「いかにメリットをわかりやすく、シンプルに販売パートナーやエンドユーザーに訴求できるソリューションを企画するか」ということ。目黒が常に自らに課している課題だ。(文中敬称略)
プロフィール
目黒 学
目黒 学(めぐろ まなぶ)
1975年生まれ。東京都出身。ITベンチャー企業などを経て、2006年、ソリトンシステムズに入社。マーケティング本部マネージャーを務め、セキュリティ関連のプロダクトマーケティング、各種セミナーの講師など、さまざまなシーンで活躍。2013年、インヴェンティットに入社。M2M関連のプロダクトマーケティングに従事。