「“脱出ゲーム”って好きですか?」と、笑顔で話すのはキヤノンマーケティングジャパンでシステム構築(SI)を担当する高妻ゆかりだ。脱出ゲームとは密室に閉じ込められたプレイヤーが脱出のカギとなる謎を解いて、晴れて自由の身になることを目指す。高妻は“密室”に見立てた“リアル”の会場に集まり、数人のチームを組んで制限時間内に謎解きをして脱出する“リアル型脱出ゲーム”歴6年の中堅プレイヤーである。
リーダー役となる人、クイズが得意な人、数学が得意な人、体力がある人など、それぞれの得意を結集できるかが勝敗を分ける。制限時間内にみごと脱出できたら祝勝会、できなかったら反省会を開く。直近の成績は「3回連続で祝勝会」と胸を張る。
そして、高妻はSIの仕事が「楽しくて仕方ない」。営業や企画、SE、製品担当、サービス、運用などのスキルをもつメンバーの力が合わさって、初めてユーザーの課題をクリアできる。高妻はさまざまな技能をもつ担当者の橋渡しをするソリューションスペシャリストとしてメンバーを励まし、なだめ、ときに厳しく課題解決の必要性を説く。メンバーの力を集結して課題を解いていく過程は、大好きな脱出ゲームと共通点が多く、「わくわくして、すごく楽しい」。
難しい課題であればあるほど、ひとり抜け、ふたり抜けとフェードアウトが横行しがち。提案が不十分で失注することもあり、毎回、祝勝会──というわけにはいかない。しかし、社内を見渡せばハードやソフト、サービスなど、多様なスキルをもつ人材の宝庫。解決のカギは必ずある。組織の壁を越えてユーザーとともに課題からの“脱出”に全力を挙げる。(文中敬称略)
プロフィール
高妻ゆかり
高妻 ゆかり(こづま ゆかり)
1987年、東京都生まれ。09年、慶應義塾大学理工学部応用化学科卒業。同年、キヤノンマーケティングジャパン入社。現在は金融SS第二グループに所属