交通工学を専攻し、ITS(インテリジェント・トランスポート・システム)の研究に没頭した大学時代。「いずれは自動運転の研究と関連するビジネスを手がけたい」という決意を胸に、就職先として探した。約15年の月日が流れ、念願が叶いそうなビジネス環境になってきたことに、心は踊る。すでに、自動運転関連の新規ビジネス企画案を温めている。
 
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 20代は、大手SIerの業務委託案件に携わり、SIのなんたるかを徹底的に叩き込まれたという。その後、吸収したノウハウを社内に還元すべく、社内PMOを立ち上げた。「失敗案件のほとんどはコミュニケーションに課題がある。自分が泥をかぶってでも、進捗管理や品質管理の基本的なやり方を浸透させようとした」。年長のPMには冷ややかな視線を向けられたこともあったというが、「メンタルは強いほうなので、とにかくずっと必要性を主張し続けた。成果が出始めたら社内の空気も自然に変わっていった」と、サラリと言ってのける。

 最近の注力分野は、“データ連携”だ。EAIを安価に使えるようにする自社ブランドのクラウドEAIツールを企画するなど、SIerにとっての新しいビジネスのあり方を模索する。「現状、ほとんどのITソリューションはホワイトカラー向け。IoTにしても、例えば農業の現場などで、たくさんのセンサからデータを集めて活用するような世界がもっと広がらないとおもしろくならない。ただ、そこに既存のSIが介在するとほとんどのケースで採算が取れなくなる」という危機意識がある。「SIのノウハウを生かし、低価格とターゲットの広角化を前提とした独自商材の開発にチャレンジすること」こそが、SIerが社会変革に貢献し、生き残っていくための有力なモデルだと考えているという。構想中の自動運転関連ソリューションも、その延長上にある。(敬称略)