知らないところに行ったり、新しいことに挑戦したりするのが好き。だから、大胆に活動のフィールドを広げてきた。
大学卒業後、一流のプロジェクトマネージャーに憧れて、外資のIT大手や銀行のシステム部門に従事。念願のPMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)を取得したが、次第に物足りなさを感じ始める。拠点を北京に移し、システム開発を手がけるスタートアップ企業に転職。ある案件で出会ったマーズフラッグの武井信也社長にその能力の高さを買われ、シンガポール子会社への入社を決意した。「海外で働くことに大きな魅力を感じた」。
同社では、社長の右腕として出張の機会に恵まれた。中国には毎月足を運ぶが、海外で働く立場からみても、「いつも市場が大きく変わっていて、新たなサービスが生まれている。ビジネスチャンスは大きい」と感じる。そこで、上海に拠点開設を直訴。社長に認められ、その立ち上げを任された。
現在、上海営業所は一人だけ。日系企業を中心とする顧客開拓を一手に担う。当初は、英語は堪能なものの、日本語はおぼつかなかった。「自分の想いをストレートに伝えたい」。猛勉強を重ね、先日には日本語能力試験の最上位N1を受験するまでに成長した。
趣味はランニング。毎回5kmほど走る。「とくに出張時はおもしろい」。台湾の台北101や北京の天安門広場、米ニューヨークのセントラルパークなど、各地で魅力的なスポットを駆け巡る。自分の足で街を眺めると、ビジネス現場だけでは知り得なかった市場の姿をみることができる。これが新たなアイデアを生み、仕事につながる好循環に。2018年は「海外への出張が増えそう」。足でつかんだ感触をもとに、事業を軌道に乗せる。(敬称略)
プロフィール
Sarah Wang
1983年生まれ。河北省唐山市出身。大連理工大学でソフトウェアエンジニアリングを専攻。IBM、Citybankの大連拠点、北京のスタートアップなどを経て2015年3月、企業ウェブサイトの検索エンジン開発を手がけるマーズフラッグのシンガポール子会社MARS FLAG Asia Pacificに入社。現在は、同社の上海営業所で顧客開拓を一手に担う。趣味はランニング。