学生時代、ソフトボールに打ち込んだ。大学でソフトボールサークルに所属し、昼休憩、放課後としっかり練習をし、みっちりと取り組んだ。練習後はサークル仲間の自宅に上がり込み、親睦を深めたのが青春の思い出だ。今でも当時の20人ほどのメンバーと連絡を取り合い、お盆や年末年始など帰省の折には顔を合わせる付き合いをしている。
その流れもあり、昨年、長男が小学校に入学した際、保護者によるソフトボールチームに入った。交流を深めることが目的のチームかと思っていたが、ショート、セカンド、ピッチャーは元高校球児という、かなりレベルが高いチームだ。練習も試合もかなり本格的だ。
ポジションは学生時代と同じサード。サードは強い打球が飛んでくることが多く、けがをすることもある。「正直怖い」と感じるが、ボールに体ごと当てるように取りに行き、すばやく送球しぎりぎりアウトがとれるような、そんなポジションだ。「たとえ下手でも頑張ればなんとかなる」と平野は話す。
昨年、15年に渡り営業を担当してきた平野はBP MD部に異動となった。これまで商品を売る側から、社の看板となる商品を生み出す側になった。さらに、課長というポジションと部下を得た。つまり、チームが変わり、一選手から監督というポジションに変わったわけだ。マーケティングの知識、経験、チームを見渡す広い視野、責任のある判断、個人ではなく課としての成果。期待されるものも変わった。
「頑張れば何とかなる」というサードを守る時と変わらない心構えで、新人監督の道を歩み出す。
(敬称略)
プロフィール
平野敦則
(ひらの あつのり)
1979年、和歌山県生まれ。2002年にエプソン販売に入社。四国営業課に配属され、四国エリアのビジネス代理店を担当する。05年に関西営業部、12年に東京・SI営業部に配属。17年に東京・BP MD部 企画の課長に就任する。プライベートでは2児のパパ。