薄暗いバーで、ジンベースのカクテルを傾ける。「こんなに長くいるとは思いませんでしたね」。2013年に中国・上海市に赴任し、今年で6年目になる。七島泰介が、これまでの駐在員生活を振り返った。
七島がITと出会ったのは、小学校6年生の頃。当時、Windows 95が発売され、大きな話題になっていることを知った。「自分も欲しい」と親に頼み、翌年自分専用のPCを買ってもらった。
その後はホームページをつくったり、プログラミングをしたりして操作を学んだ。中学では「パソコン部」を立ち上げ、部長を務めた。「まったく爽やかな青春ではなかった」と笑うが、将来の夢は「数学の先生かSE」だった。
大学卒業後、NTTデータ イントラマートに入社し、営業企画などに従事。グローバル本部に異動した13年6月から、海外ビジネスに接するようになった。
同年12月からは上海で生活を始め、中国や周辺諸国を飛び回っている。日本との違いに苦しむこともあるが、「アジア全体について考えられるようになり、価値観は大きく変わった。中国にきて本当によかった」と実感する。
上海では、妻と子ども2人の4人暮らし。平日は出張で家を留守にしがちなので、休日は家族との時間を大切にして、子どもの習い事などにつき合っている。
小学校2年から大学卒業まで、軟式野球に打ち込んでいた。その影響か、精神統一の方法はシャドーピッチング。大のラーメン好きだが、最近は、「いい年齢だし、そろそろ健康のことを考えて自制しないと」と苦笑する。
好きな言葉は「意志あるところに道は開ける」。中国の事業を成長させるため、今までつくってきた道をさらに伸ばすことが目標。グラスを手に、大きな夢に思いを馳せた。(敬称略)
プロフィール
七島泰介
(ななしま たいすけ)
1983年、東京都生まれ。2008年に東京学芸大学教育学部を卒業後、NTTデータ イントラマートに入社。グループ会社への出向を経て13年にグローバル本部に異動し、中国・APAC地域のマーケット開拓を担当。13年12月から中国現地法人の恩梯梯数据英特瑪軟件系統(上海)に出向中。17年に上海交通大学のEMBAプログラムを修了。