子どもの頃、母親が上海市内の路上で現金を拾った。落とし主は日本人で、後日、日立ブランドのカラーテレビをお礼に贈ってくれた。高い性能に「日立はすごい会社だ」と驚いた。呉修佩と日立グループの最初の出会いだ。

年月が経ち、再び日立グループとの縁が生まれた。大学4年の就職活動時、インターンシップ生をしていた当時の日立信息系統(上海)(HISS)から誘いを受け、入社を決めた。
「日立のブランドは中国でとても有名。まさか自分が入社するとは思っていなかった」と振り返る。入社後は、中国でシステム運用管理ソフトウェア「JP1」の営業支援などを担当した。
夜遅くまで残業するハードな業務も経験し、「辞めようと思ったことは何度もある」と明かすが、「日立での仕事は新しいチャレンジの連続で、頑張れば会社と一緒に成長できる」。苦しい時も踏ん張って仕事を続けた。
プライベートでは1児の母で、仕事と子育ての両立に奮闘中。どんなに疲れていても「子どもの笑顔をみれば吹き飛ぶ」と頬を緩める。歌には自信があり、高校時代、校内の女性ベストシンガーに選ばれたことがある。
日立グループ一筋で働き、今年で14年目を迎えた。2015年にはHISSの清算に立ち会い、現在は米国に本社がある日立ヴァンタラの中国法人日立数据管理(中国)の社員になった。会社の文化も、同僚も大きく変わったが、中国語と日本語、英語を駆使して世界各地の拠点をつなぐ役割を担っている。
将来の夢は「グローバルでセールスオペレーションを統括すること」。中国から世界に広がった舞台のうえで、歌っている時のように輝きたいと考えている。(敬称略)
プロフィール
呉 修佩
(Xiupei Wu)
1982年、中国・上海市生まれ。上海師範大学日本語学科卒。05年に当時の日立信息系統(上海)に入社し、営業支援課長などを歴任した。同社は日立(中国)信息系統に社名が変わり、15年に清算。17年から日立ヴァンタラの中国法人日立数据管理(中国)の社員となり、ソフトウェア製品マネージャーを務めている。