
年間10億円以上を売り上げるトップセラーの米澤佑一。営業のモットーは「いろいろな人を巻き込んで、大きな渦をつくりだすこと」だという。
米澤は、飲食店や専門店向けに業務アプリケーションを販売している。新しいシステムを円滑に立ち上げるために、POS端末メーカーやリース会社、全国の店舗に機材を設置する業者などを巻き込んで提案する。顧客からみれば「米澤に任せておけば、全てやってくれる」ことになり、本業により集中できる。この巻き込み提案が米澤の成績につながっている。
前職では、ネットワークインフラなどを担当していた。当時、業務アプリケーションを担当していた成績優秀の後輩女性営業がどうしても気にくわなかった。できるだけ目を合わせず、たとえ話すことがあっても「斜に構えることしかできなかった」と振り返る。そんなある日、彼女が「米澤さん、ネットワーク構成を考えてみたのですが、これで合っているか、みてもらえませんか」と、頭を下げてきた。
米澤は「おまえ、そんなことも分からないのか」と、少しいい気分になって教えているうちに、いつの間にか、後輩営業が担当している業務アプリのネットワーク部分を一緒になって顧客に提案するようになっていた。後になって「その優秀な後輩は、ネットワークが分からないんじゃなく、ふてくされている自分を巻き込もうとしていた」ことに気づく。
いろいろな人を巻き込んで、自分がその大きな渦の中心になれば、結果としてより大きな仕事ができる。トップセラーになれたのは、「後輩から学んだことを愚直に実践しているに過ぎない」と、謙虚に話す。(敬称略)
プロフィール
米澤佑一
(よねざわ ゆういち)
1982年、大阪府生まれ。龍谷大学経済学部卒業。2004年京セラ丸善システムインテグレーション(現京セラコミュニケーションシステム)を経て、2013年、クオリカ入社。