しかし、見込みと実績に差があったとはいえ、Windows Server 2003 EOSビジネスの成果として、各社はそれほど落ち込んでいる様子はない。仮想化など、サーバーの性能向上によって単価が上がったため、平年並み以上の実績を保っているからだ。
2020年、Windows Server 2008、Windows 7がサポート終了を迎える。昨年と今年のビジネスで得た成果から、各社の期待は、もっぱらWindows 7へと向いている。ユーザー企業にとっては、予算取りがさらに困難になること、ハードは定期的にリプレースしている場合があることを踏まえ、ITベンダーにとっては、Windows Server 2008 EOSへの対策を早いうちに用意しておくべきだろう。また、セキュリティ問題がユーザー企業の心に響きやすいとはいえ、「守りのIT投資」は敬遠されがちだ。ユーザー企業のビジネスを成長させることのできるようなソリューションを提案することが重要となる。
2015年7月15日(日本時間)の「Windows Server 2003 EOS(End of Support、サポート終了)」から3か月以上が経過した。まだ記憶に新しい昨年4月の「Windows XP EOS」と同様に、リプレース特需が見込まれていたが、実際、ビジネスの成果はどうだったのか。SIerや販社に話を聞いた。(取材・文/前田幸慧)