──2021年の振り返りを。
デスクトップとクラウドの両アプリケーションでお客様の獲得を進めることができた。力を入れている「事業支援サービス」については、3月に「起業・開業ナビ」、10月に「資金調達ナビ」、12月に「税理士紹介ナビ」をそれぞれリリースし、ラインアップの拡充に取り組んだ。法改正などの大きな動きがあったわけではないが、業績の面では順当に成長した1年だった。
代表取締役社長執行役員
岡本浩一郎
──コロナ禍の影響は。
経営者にとっては暗闇の中を手探りで歩むような日々が続いた一方、デジタル化を推進する機運が高まったと感じている。ビジネスの面では、顧客基盤が拡大したほか、サポートプログラム「あんしん保守サポート」の解約率が上がっているわけではないため、業績の上で目立った影響は出ていない。ただ、新型コロナウイルスの感染状況は一時は落ち着いていたが、再び悪化してきたこともあり、先行きは安心とはいえないと感じている。
──21年末に株主の変更を発表した。
22年3月1日にオリックスから米国の投資会社コールバーグ・クラビス・ロバーツ・アンド・カンパニー・エルピーの関係会社になる予定だ。株主は変わるが、経営体制が変わることはない。業務ソフトウェアや関連サービスの開発・販売・サポート事業についても変わらず継続する。弥生PAP会員や金融機関をはじめ、各パートナーとは良好な関係性が継続できるよう努めていく。
引き続き両輪でビジネスを拡大
──今後の製品開発の方向性は。
デスクトップについては、お客様のニーズがあるため当面は続けていき、クラウドアプリケーションも発展させていく。長期的に見ると、クラウドが中心になっていくと思うが、デスクトップアプリケーションの使い勝手は非常に評価されているため、引き続き両輪でビジネスの拡大を推し進める。ただ、非常に長い時間軸で見ると、既存のアプリケーションをリフレッシュすることは必要だと考えている。既に次の世代に向けて動いている部分はあるが、具体的な話ができるのはもう少し先になりそうだ。
──22年の抱負を。
22年は電子帳簿保存法が改正され、23年にはインボイス制度が始まる。単純な電子化ではなく、本当の意味でのデジタルトランスフォーメーションが実現できるような仕組みを提供していくことが求められると思っている。1年以上にわたってやるべきだと言ってきたことが徐々に形になっていくので、これまで問題提起してきたことに対する解をしっかりと提供していく1年にしたい。