セールスフォース・ジャパンのパートナーエコシステムが拡大を続けている。エコシステムのビジネス規模は、既に同社自体のビジネスの規模を大きく上回っており、今後も成長が継続する見通しだ。クラウドを中心としたDX需要の増加などに伴い、パートナーの数はここ最近、急増。もたらす価値は多岐にわたっておりエンドユーザーによる外販やパートナー同士の連携、事業変革につながっている。枠組みはIT業界だけにとどまらず、他業種への広がりに向けて期待感が高まっている。
(取材・文/齋藤秀平)

切っても切れない存在

 セールスフォース・ジャパンは、米本社が発足した翌年の2000年に設立した。企業の規模に関係なく、インターネットに接続すればSFAやCRMなどのサービスが素早く利用できることを強みに事業を展開。設立当初からパートナーの存在を重要視し、エコシステムの拡大を進めてきた。

 同社のパートナーは、大きく「コンサルティングパートナー」と「ISVパートナー」の二つに分類される。コンサルティングパートナーは大手SIerなどが対象で、SIや技術支援などを担う。一方、ISVパートナーは、同社のマーケットプレイス「AppExchange」で、同社製品と連携できるビジネスアプリケーションなどを提供できる。

 現在、コンサルティングパートナーが約400社、ISVパートナーが約200社となっており、とくに前者は直近2年間で倍増した。積極的な買収戦略によって新たにパートナーが加わったほか、コロナ禍で各企業がDX戦略を推進する中、クラウドの活用に注目が集まっていることもパートナー数の増加を後押ししているという。

 エコシステムの拡大に伴い、関連ビジネスの規模も大きくなっている。同社は21年、米調査会社IDCがまとめた「Salesforceエコノミー」に関する調査結果を発表した。それによると、エコシステムのビジネス規模は、同社自体のビジネス規模の5倍と推定された。

 クラウドへの投資は今後も続くと予想されており、ビジネス規模は26年には6.5倍に達し、同年のエコシステムの事業収益は20年比3.2倍になると予測されている。

 さらに、26年までに同社が国内で創出する収益1ドルに対し、エコシステムには6.5ドルの収益をもたらすとされる。21年から26年までに、国内で44万300人(世界で933万人)の新規雇用と974億ドル(世界で1兆600億ドル)の新規事業収益を創出することも報告されている。
 
セールスフォース・ジャパン 浦野敦資 専務執行役員

 同社のパートナー事業を統括する専務執行役員の浦野敦資・アライアンス事業統括本部統括本部長は「国内のビジネスのうち7割前後について、パートナーが何かしらの支援をしている」とし、「われわれの成長を考える上で、エコシステムは切っても切れない存在になっている」と語る。