――2022年はどのような年だったか。
大企業からスタートアップ、自治体まで幅広いお客様にサービスをご利用いただいているが、ここ数年でそれぞれのお客様に対してサポートできる範囲が広がってきた。特に22年は多くの経営者の方からビジネスを変革したいという相談を受け、単なる「テクノロジーの提供」だけでなく「ビジネストランスフォーメーションの支援」を強化した。
アマゾン・ウェブ・サービス・ジャパン
代表執行役員社長
長崎忠雄
――どのようにビジネス変革を支援しているのか。
例えば、リスクテイクな組織をつくるための人材育成だ。クラウドに関するトレーニングや教育プログラム、認定などを拡充し、パッケージとしてお客様に提供している。22年4月に提供を開始したデジタル人材育成支援サービス「AWS Skills Guild」にも非常に多くの問い合わせをいただいている。
――顧客のニーズに変化はあるか。
サスティナビリティに対する意識が驚くほど高まっている。米Amazon(アマゾン)はパリ協定の「40年までにネットゼロカーボン」という目標を10年前倒しで実現する公約を立てており、世界でもっとも再生エネルギーを購入している企業でもある。当社もデータセンターの省電力化やエネルギー消費の見える化ツールの提供などを行っており、採用していただく理由になってきている。
データ活用で顧客を成功に導く
――23年の事業方針は。
まずは、データ活用の支援を強化する。テクノロジーだけでなく当社が保有しているノウハウを提示し、お客様がデータに基づいて速い意思決定ができるようにお手伝いしていく。次にサスティナビリティに対する取り組みを加速させる。データセンターにおけるウォーターポジティブ(消費量を上回る水を供給すること)の実現など、さらにイノベーションを起こしていく。最後に教育支援。これは継続が重要で、そのためのプログラムを拡充していく。資格取得を後押し、人材の流動性を高め、日本企業のビジネス変革に貢献していきたい。
――日本企業のデータ活用における課題は。
データ活用で多くのお客様が課題としているのがガバナンスだ。社内に分散したデータをどのように一元管理するか。どのようにして新しいサービスの開発につなげるか。こうしたプロセスをエンドツーエンドできっちり定義していくことが意思決定を速める上で重要になってくる。当社のプラットフォームであればAIやマシンラーニングを駆使した機能によって、イノベーションの創造やビジネスの加速を促すことができる。22年の「AWS re:Invent 2022」で発表した多くの機能がもたらす利便性をお客様にスムーズにお届けし、成功体験に導いていきたい。