――2022年の総括を。
親会社の合併に伴い、22年に社名を変更し、社内の仕組みを変えながら現状のビジネスを伸ばすことを進めた。後半は円安の影響を受けて売上高や利益が落ち込んだ部分があるが、IT系の需要は堅調に推移し、GIGAスクール構想関連によって抜けた分の穴は埋められた。思っていたよりもいい年だった。
TD SYNNEX
代表取締役社長
國持重隆
――成長をけん引した領域は。
データセンターモダナイゼーションとマルチクラウド、ネットワーク/セキュリティの三つ(23年からはデータアナリティクスを加えた四つ)に分類し、PCや周辺機器など以外のアドバンスドソリューションの引き合いが増えたことに加え、新しく取り扱いを始めた商材が成長をけん引した。
――親会社の合併による影響は。
アジアパシフィックや欧州の販路が大きく広がり、よりグローバルディストリビューターとしての傾向は強くなった。メーカーと話をする際、グローバルのプログラムで動けるようになったので、それは大きなプラスになっている。
名実ともにグローバル企業の一員に
――23年の注力領域は。
親会社の合併に伴ってグローバル共通の四つの戦略を打ち出した。そのうちの一つとして「成長分野への投資」があり、グローバルでアドバンスドソリューションの領域に力を入れることになっている。国内では、全従業員の10%に当たる70人くらいの人員を増やし、大半をアドバンスドソリューションのビジネスに関わってもらうことを予定している。採用する人や給与水準は、事業部ごとの特徴を持ったかたちに変わっていくので、大きなカルチャーチェンジになると思っている。
――リセラーとの関係は。
従来のプロダクトアウト的な売り方ではなく、課題に対してこれが効くという売り方をしていかないと、エンドユーザーに響かなくなっている。これからはエンドユーザーや業界を見据えたビジネスの組み立てにフォーカスする。リセラーとの関係は今までと変わらないが、各リセラーがもっと特徴を発揮できるようになることが必要なので、CoE(Center of Excellence)を活用したソリューションの開発や研修といった支援を提供していく。
――23年の抱負を。
新しい会社としてのかたちができたのが22年で、23年は真のトランスフォーメーションが始まる。会社としても、従業員としても、大変な年になるだろうが、名実ともにグローバル企業の一員として本当に進みたかった道に移行できるので、しっかりといい年にしたい。