──2024年の振り返りを。
22年後半くらいからコロナ禍が落ち着き、23年が好調で、その勢いを継続できたのは良かった。振り返ると、コロナ禍で今までの売り方ではお客様に買ってもらえなくなり始め、過去の成功体験もあまり役立たなくなった。そうした中、全ての商材を提案する「オフィスまるごと」の意識が社内に広がり、徐々にこれが次の道になるとの機運が高まった。24年は、そうした傾向がさらに強まり、その延長線上で推移したと捉えている。
大塚裕司 代表取締役社長
──連結売上高が初めて1兆円を突破した。
23年が終わった段階で、それまでの成長性を掛け合わせると、24年は1兆円に届くと思っていた。しかし、特別、そのために何かをしたわけではなく、あくまで通過点に過ぎない。1兆円を突破したからといっても、会社として何かが変わるわけではないが、周りからの期待値や社会的な役割といった点については、今まで以上に注目されると実感している。今は市場の流れをしっかりとつかめているし、いろいろなところが強くなっているので、将来に向けて前向きに受け止めている。
1兆円企業にふさわしい会社に
──25年の重点方針を。
24年の取り組みをさらに進めるのに加え、「Windows 10」関連の特需をしっかりつかむことが重要になると思っている。19年の「Windows 7」のサポート切れに伴う特需の際は、モノを確保して納めることではうまくいった。しかし、ソリューションの提案につなげたり、追加で受注したりといったところは期待値ほどではなかった。特需の年は箱売りになってしまう可能性は高いが、それでもオフィスまるごとを意識しながら、ひと言でもお客様に刺さるようなことを提案していきたい。
──そのためには具体的にどのような手を打っていくか。
ニーズを取り込むためには営業の生産性向上がかぎになるので、無駄な業務の洗い出しなどをして効率的に商談ができるように既に準備している。特需にしっかり対応し、さらにソリューションの提案などにつなげられれば、オフィスまるごとやAIなど、今までやってきたことの集大成になるかもしれない。人の部分に加えてモノ不足に備えて在庫の確保も進める。
──25年の意気込みを。
25年のスローガンは「お客様に寄り添い、DXとAIでお客様と共に成長する」。今後、中小企業の間でも、いろいろなところでAIがより使われていくようになるとの期待感を抱いている。サービスの構築などで後押ししていくのはわれわれの役割だと認識しているため、新たにAIを入れた。24年は連結売上高が一つの壁を越えたので、1兆円企業にふさわしい内実を伴った会社として、さらなる成長を目指し、引き続きいい年にしたい。