セイコーエプソンは昨年2月に、データCD/DVDを手軽に作成・複製可能な、デュプリケーター「PP-100」(USB接続ベーシックモデル)をエプソン販売を通じて販売開始した。国内ではまだあまりなじみのない商品ながら、流通・小売や医療といった特定業種を中心に予想を超える台数を販売している。同社は、お客様からの要望もあり、「今後は、一般オフィスの社内ネットワーク環境でも活用の場が広がる」と、ネットワーク専用モデル「PP-100N」をラインアップに追加、3月16日から販売開始している。特定業種から一般オフィスまで市場の裾野を広げるため、販売代理店と連携し拡販を強化する。

社内データ蓄積や取引先と情報共有用途へ

 新製品「PP-100N」はベーシックモデルの「PP-100」がUSB接続のスタンドアロン機であるのと異なり、オフィス内のネットワーク環境下でレーザープリンタによる印刷作業と同じように複数のユーザーで共有することができ、自席から、複数枚のデータディスクを作成することができる。同製品を販売するエプソン販売は「業務専用機としてのデュプリケーターでなく、一般オフィスでも使える機器にしてほしいというお客様の要望に応えた。また、特に、ユーザー意識の高い、情報流出リスクを低減するセキュリティ機能を新たに搭載した」(関澤浩明・プロダクトマーケティング部 課長)と、新製品のコンセプトを説明する。

 「PP-100N」は、「PP-100」と同様に、専用ソフトウェア「Total Disc Maker」を使用することで、CD/DVDへのデータ書き込みとディスク表面へのレーベル印刷をシームレスに行うことができ、必要な時に必要枚数を作成することができる。パソコンで1枚ずつ書き込みを行ってインクジェットプリンタで1枚ずつレーベル印刷するといった、手間を省くことができるわけだ。

 こうした基本機能に加え、「PP-100N」はイーサネット接続により、ネットワークで共有してディスク作成が可能になった。内蔵ハードディスクでジョブを保持することができ、一度作成したディスクを再度作成する場合には、改めてデータを「PP-100N」に送ることなく、スプール内のジョブを指定して再発行もできる。ただ、一般オフィスのネットワーク環境では第三者に不正に持ち出される心配が生じる。このため「ディスクを取り出す際に開ける扉を鍵でロックすることができるようにした」(関澤課長)と話す。また、今夏にはディスク取り出し時の暗証番号入力や作成時の承認ワークフローなどで堅牢なセキュリティを保つ「認証発行オプションキット」の提供も開始する。

 国内でのデュプリケーター市場は、海外メーカーが先行しており、レーベル印刷を請け負う複製業者などに広く出回っている。エプソンはインクジェット印刷やアーム機構など、同社独自のテクノロジーを駆使して国内市場ニーズに適した製品で新規参入した。

 「PP-100N」の販売対象は「アーカイブがキーワードになる」(藤井研人・プロダクトマーケティング部 課長)と見ており、次のような用途で市場開拓を目指す。1つにはオフィス内の空き容量を超えつつ専用サーバーのデータをバックアップする用途だ。IT管理者の手間を省くため、満杯になったデータをデュプリケーターでCD/DVDへ落とし保管すれば、サーバー容量がその分増して、サーバやHDD増設などの無駄なコストを削減できる。もう1つが映像や画像データを取引先と共有する場合の用途。紙媒体では用紙が多すぎ、メールでは大容量で送信不可の場合に利用するケースがあると見ている。「実際に、セキュリティの関係で、ネットワークでのデータ送信ができない外注先とのやり取りで使いたいとの案件が出ている」(藤井課長)と反応は上々だ。

 このほかにも小売・流通業、医療、文教領域への利用拡大を期待する。「例えば、医療業種であれば、医療データの電子化が進み、他院への紹介状や病診連携の際に役立つ」(関澤課長)と、この先、このような潜在ニーズをパートナーの販売代理店などと掘り起こしていく方針だ。


エプソン販売=http://www.epson.jp/disc/

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