AMDはこのほど、最新の「ZEN3」コア・アーキテクチャーを採用したサーバー向けの第3世代EPYCプロセッサー「AMD EPYC 7003シリーズ」(開発コードネームはMilan)を発表した。それにあわせてデル・テクノロジーズ(デル)は、最新プロセッサーを搭載した「PowerEdgeサーバー」を一挙に6モデル発売している。AMDの最新プロセッサーとデルのサーバー製品が切り開く新たな市場と企業向け商材としての有効性について、日本AMDの中村正澄・コマーシャル営業本部ソリューション・アーキテクトと、デル・テクノロジーズの岡野家和・データセンターコンピュート&ソリューションズ事業統括製品本部シニアプロダクトマネージャーに聞いた。

中村正澄
日本AMD
コマーシャル営業本部
ソリューション・アーキテクト
 
岡野家和
デル・テクノロジーズ
データセンターコンピュート&ソリューションズ事業統括
製品本部シニアプロダクトマネージャー

幅広い領域で採用が進んだ第2世代EPYCサーバー

――前世代版では7nmプロセスCPU、マルチチップモジュール、チップレット技術という新しいアーキテクチャーを採用して高い評価を得ましたが、現在EPYCは市場でどのような広がりを見せていますか。

中村 性能面を評価していただき、HPC分野でかなり採用されています。デル・テクノロジーズの事例では、東京大学物性研究所、沖縄科学技術大学院大学のスパコンに第2世代EPYCが採用されています。表に出ている事例では、高性能なCPUが必要な領域が先行している印象ですが、徐々にビジネスユーザー向けの採用が増えてきていて、例えばサービスプロバイダーのエックスサーバーではEPYCを活用し、日本で一番早いサーバーというアプローチで事業展開されています。ほかにもGMOインターネット、Yahoo! JAPANやサイバーエージェントといった新しいテクノロジーの採用に積極的な企業で採用が進んでいます。

岡野 事例ではHPCとサービスプロバイダーが多いですが、それ以外のお客様にもどんどん広がっています。社名は公開できませんが、誰もが知っているような金融業や製造業のお客様に多数採用されていますね。

圧倒的な性能とコスパサーバー新製品は6種類投入

――第3世代EPYCでは企業ユーザー向けに使いやすい仕掛けも用意されているようですが、新プロセッサーと、それを搭載したデル・テクノロジーズのAMD EPYCサーバーの強みとは。

中村 EPYC 7003シリーズの最も優れている部分は、マルチチップ構成でたくさんのプロセッサーとメモリ、I/Oが集積されているところです。1CPUに64個コアが入っていて、かつPCIe Gen4への対応で、他社CPUのアーキテクチャーと比較してI/O性能が2倍、メモリは45%もバンド幅が高いというモンスターCPUになっています。それをソケット互換で利用できます。
 

 コストパフォーマンスも高く、他社の最上位モデルと比較すると性能は2倍で、価格は7割程度です。セキュリティ面でも、新たにネストされた仮想化環境で暗号化の機能が使えるようになっているので、よりエンタープライズ環境での活用が期待できると思います。

岡野 Milanではこれまでの8チャンネルに加え、メモリを高速接続する技術として新たに6チャンネルのインターリビングをサポートするようになりました。少ないメモリでもパフォーマンスを落とさないようにしていて、さらにコスパが上がっている。それも強みの一つだと思います。

――デル・テクノロジーズはAMDサーバーにおける業界屈指のラインアップと標榜されていますが。

岡野 われわれの強みは、サーバー製品のポートフォリオが多いことと、製品ごとに特徴があることです。これまでに1ソケットと2ソケット、1Uと2Uのフルラインアップを計5モデル展開し、今回新たにNVIDIA NVLinkバージョンのA100 GPUを搭載した4GPUサーバーも追加しました。
 

 全てのポートフォリオに意味があり、幅広い業種でさまざまな用途でワークロード別に選ばれています。VDIにも最適で、4000ユーザーのVDI基盤を構築したという事例もあります。仮想化、VDIでの採用はほかにも多いです。

VMware環境に最適なCPU、SI会社は商機を逃すな

――AMDサーバーの仮想化基盤としての強みは。

岡野 VMwareはソケット課金なので、コア数の多さは強みになります。昨年1ソケットライセンス当たりのコアの上限が32コアに制限されてしまいましたが、それでも1ライセンス32コアが最大と考えると、32コアか64コアのCPUが最もVMwareのライセンスを有効活用できるCPUということになります。その一つをとっても、AMDサーバーの仮想化用途におけるコスト効率の良さは明確なので、そこをSI会社には気づいていただきたいですね。

――逆にコア数が多いことで困ることも。

岡野 EPYCは最大64コアですが、Windows Serverはコア課金なのでコアが増えればライセンス費用が増えてしまいます。そこでデル・テクノロジーズはマイクロソフトと連携して、1ソケット当たり32コアまでしか課金しない「Windows Server 2019 EPYCサーバー用特別ライセンス」という独自のコアキャップ型ライセンスを提供しています。2021年6月末までの期間限定なので、今まさに駆け込み需要が急増しています。

――実際にAMDサーバーを検討したいという声も増えており、第3世代EPYCサーバーはSI会社や販売パートナーに商機をもたらしそうです。

中村 AMDを勧めればコストも下がってお客様にも喜ばれますし、他社との大きな差別化要素にもなります。サーバー単体の話ではなく、VMwareやVeeamのライセンスも半額になるわけですから、「EPYCをこういう部分に使っていくとこれだけ安くなります」という提案ができると思います。AMDサーバーを使って、さらに良い提案をしていただきたいです。

岡野 EPYCに関するわれわれの実績は、誇るべきものを持っているので、顧客に提案する際にはPowerEdgeを選択していただけば間違いはありません。EPYCは現在フェーズ3の段階で、第1フェーズではAMDがサーバー向けCPU開発を再開してアーリーアダプターが様子見で採用し、第2フェーズでは大規模な案件やインパクトが強い案件が出て、かつさまざまな業種に広がっていきました。これからは、EPYCを選択するということが特別なものではなくなり、SI会社や販社が日々接しているエンドユーザーに普通のチョイスとして提案できる、当たり前の選択肢になってきています。デル・テクノロジーズの東京・三田のカスタマーソリューションセンターにはEPYC 7003が置いてあるので、試してみたいと思われたら、ぜひお声がけください。
 

 

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