実父からバトンを受け社長に就いた。それから約2年半、昨年12月に株式上場先を大証ヘラクレスから東証2部に変更した。景気後退がIT業界にも影を落とすが、今年度の業績見込みは売上高、営業利益ともに過去最高を計画。「町のPCショップ」から始まったソフトクリエイトは、今やパッケージをベースとしたSIerに姿を変え、利益率10%超の有力企業へと進化した。
木村剛士●取材/文 大星直輝●写真
社長業を楽しめるようになった
──景気が後退するなかで、昨年12月には大証ヘラクレスから東証2部に株式上場先を変更しました。2年ほど前からトップを務めてきたなかで、今回の市場変えは、節目だったのではないですか。
林 そうですね。東証2部への上場に向け準備を始めたのは1年ほど前から。その頃は、今の経済環境を予測していなかったし、それを見越していたわけでもないんですけど、固めの見通しを立てていて、計画通りに進んでくれました。
──実父の林勝前社長(現会長)からバトンを受け、32歳の若さで株式上場後に社長に就いた。業績は右肩上がりで毎年過去最高を記録中。そんな絶好調な時期での就任は、逆にプレッシャーになったのでは?
林 32歳という年齢で社長になったことが、早かったのか遅かったのか。それは何とも言えませんね。ただ、学生の頃から、いずれは父からバトンを受けるという覚悟はありました。
社長になってからは、正直に言えば、就任後1年くらいの間は居場所がなかった……。機関投資家にもかなりきついことを言われましたし、それなりに厳しい局面はありました。1年ほど前からですかね、落ち着いて仕事できるようになったのは。このポジションを少しは楽しめるようにもなったと思います。
──今年度(2009年3月期)は、最終利益こそ投資有価証券の評価損で昨年度比減益ですが、売上高と営業利益、経常利益は過去最高を見込んでおられる。林会長が築かれた成長路線を維持している。景気が悪くても関係ない?
林 そんなことは決してありません。09年のIT産業界は、確実にマイナス成長でしょう。企業経営者層の投資マインドは間違いなく落ちている。ユーザー企業を回っていると、「(IT投資を)絞るぞ!」とあからさまに言われることもあります。かなり厳しい状況であることは承知しています。
ただ、ユーザーさんのなかには景気後退をモノともしない企業も当然あります。両刃の剣ではありますが、これまでつき合ってきたITパートナーを見直して、他社に乗り換えるという方針を固めているユーザーさんもいます。悪い要素だけでは決してないと感じています。
──計画を立てにくいのは承知のうえで、来年度の業績をどう見込みますか。
林 景気が回復してくる時期がいつになるか。それは分かりません。ただ、そんななかでも各事業の責任者には「利益について、最低でも前年度維持は死守する計画を立てること」と話しています。
IT市場の減退は確実。だが、減益計画は絶対に立てない。多様な自社プロダクトを生かし利益重視の経営戦略を練る。
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