テコラスの嶋田健作社長は、「2015年1月1日付で実施する予定の2社1部門の経営統合は、グローバルマインドを社内に醸成する絶好のチャンス」と位置づける。旧データホテルとネット通販システム開発のSAVAWAY(サバウェイ)、親会社のNHN PlayArtの技術部門を統合させる同社は、ひと足早い今年11月1日付でデータホテルからテコラスへと社名を変えた。経営統合後の新体制のトップも引き続き務めていくことが決まっている嶋田社長は、NHN PlayArtグループのB2B事業の中核会社として、国内外でビジネスを伸ばしていく決意を新たにする。
楽そうにみえたが、実際は違った
──2015年1月1日付で、御社とネット通販システム開発のSAVAWAY(サバウェイ)、LINEゲームの開発などを手がけるNHN PlayArtの技術部門の2社1部門が統合する予定ですが、どんな狙いがありますか。 嶋田 私どもテコラス(旧データホテル)とSAVAWAY、NHN PlayArtの技術部門の2社1部門を統合することで、B2B領域での競争力を高めるのが第一の狙いです。親会社のNHN PlayArtは、韓国NHN Entertainmentの100%子会社で、今回はNHNグループ戦略の一環として行う統合です。15年1月1日付の経営統合後は、データセンター(DC)を活用したマネージドサービスやクラウド活用型サービス、ネット通販やゲーム会社向けのシステム事業などB2B事業の中核事業会社という位置づけとなります。
これに先立ち、当社は11月1日付で旧社名のデータホテルからテコラスに社名を変更し、このブランドのもとに旧データホテルやSAVAWAY、NHN PlayArtの技術部門のビジネスを束ねていきます。
──御社は外資系ですが、もとをたどれば堀江貴文氏が起こしたオン・ザ・エッヂがルーツですよね。これまではライブドアの事業を引き継いだ韓国NAVERの子会社のLINE傘下でもありました。さらに一連の資本政策の変更によって、LINE傘下からNHN PlayArt傘下に異動し、今回の再編に至るということですか。 嶋田 私は2001年に堀江さんのオン・ザ・エッヂにシステム運用要員として入社して、こうした資本の変更や組織再編は大小合わせて、確か8回目くらいになります。もはや慣れっこですね。ただ、一つ強調しておきたいのは、私が入社した当時から手がけてきたDC事業「データホテル」は、今に至るまでほぼ右肩上がりで成長してきました。ライブドア事件が起こった後も、事件が原因でDCの利用をやめるといったケースは1件もなく、顧客とは深い信頼関係を築いています。
──当時、どうしてオン・ザ・エッヂに入社しようと思ったのですか。 嶋田 学校を卒業してからは半導体の設計の仕事に就いたのですが、そのとき勤めていた会社の情報システム部の運用が、はた目にずいぶん楽そうにみえました。そこで運用人員を募集していたオン・ザ・エッヂに転職したのですが、実際は違うぞというのがわかりました(苦笑)。運用は24時間体制ですので、朝番もあれば夜勤もあります。データホテル事業を拡大するにあたってDC事業者を買収したときのシステム統合といったら、そりゃもう大変でした。ただ、そこで出した成果が認められて、技術者として頭角を現すことができたと思っています。
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