顧客満足度の高さが最大の武器
──ただ、グローバル大手の既存ERPベンダーも、クラウドにシフトしていますし、「クラウドのグローバルなERP」というだけでは、決定的な差異化要因にならないという気もします。ワークデイが彼らに対してどう差異化するのか、詳しく教えてください。 金 既存のベンダーは、クラウドERP、とくに人事管理システムのグローバルでの導入事例はわれわれに比べて少ないし、プロダクトも継ぎ接ぎでつくってきた部分があります。ワークデイのように、統一されたテクノロジースタック(技術群)、UI、操作性を実現している製品はほとんどないといっていいでしょう。
それ以上に大きな特徴といえるのは、グローバルで97%という顧客満足度の高さです。営業でも一番重要なのは、お客様に評価していただき、その声を見込み客に伝えることなんです。お客様自身に当社の営業の役割を果たしていただけるような流れをつくるということですね。実際の案件の動きをみても、そういう流れができて、お客様自身にご納得いただけると、受注の確度が上がっています。われわれの社員やカルチャーを含めて、製品だけではない価値をトータルでデリバリすることが一番大切だと思っています。
──日本法人をつくって1年半ほどは、新規顧客開拓を行わず、製品ローカライズとサポート体制の構築に力を注いでこられました。顧客満足度を最初から高く保つために準備に時間をかけたということでしょうか。 金 時間をかけることに重きを置いていたわけではなくて、ワークデイの哲学に基づいて「正しい準備」をするのに必要な時間だったということです。おっしゃるとおり、本社勤務の日本担当のプロダクトマネージャを採用して日本のニーズを開発に反映させたり、保守サービス体制の構築や、トレーニング体制の整備なども行ってきました。
人材の採用も非常に戦略的にやってきました。グローバル企業への提案を最初のフェーズでは重点的に考えていますので、語学だけでなく、グローバルのビジネスに精通した人材を厳選して採用しています。
──日本で新規顧客開拓を急激に進められるという手応えはありますか。 金 あります。本来、日本は、グローバルで活躍できる要素がたくさんあるのに、中国や韓国などと比べてもビジネスでは出遅れている感がある。日本企業がグローバルで活躍するお手伝いをするのがわれわれの使命だと思っています。お客様の意識も、積極的に海外に出ていこうというふうに変わってきていると感じますし、事業環境としても追い風が吹いています。
重要なのは、単純にITシステムを売るのではなく、グローバルの人事戦略の成功パターンというか、「ストーリー」をお客様と共有したうえで、製品の導入を提案することです。だからこそ、私どもがもっている豊富な事例は大きな強みになります。
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