会計事務所チャネルを1万社に
──中小企業のユーザーを拡大するには、やはり会計/税理士事務所のパートナーネットワークが重要になりそうですね。 辻 中小企業の皆さんは、自社単独で経理を締めるのはなかなか難しいですから、会計士、税理士の先生との連携は絶対に必要だと思います。だから、先生方にとって使いやすい製品にするという設計コンセプトは大きな軸としてあります。
──会計士/税理士事務所のパートナーネットワークはどれくらいの規模になりましたか。 辻 関東を中心に、500～600事務所といったところでしょうか。でも、まだまだこれからです。1万事務所くらいはいきたいですね。
現状は、アンテナが高い先生方に使ってもらって、いろいろなフィードバックをいただいている段階です。それをどんどん製品に反映させています。従来の会計ソフトは1年に1回バージョンアップするくらいでしたが、僕らの製品は、指摘されたことをすぐに実装したり改善したりするので、そうした先生方にすごく喜んでいただける。そして、当社のエンジニアもそれがすごくうれしくて、やりがいを感じているんです。エンジニアって地味ですから、ユーザーの方から便利になったと褒められると、すごくモチベーションが高まります。
──辻さんは、日本の中小企業のクラウド利用率が低いことに対する危機感もたびたび発信されています。 辻 そう、まさにそんな社会を変えていきたいんです。極論をいえば、会計ソフトだけ訴求しても仕方がない。オープンにいろいろな機能を連携させて、中小企業も、大企業向けシステムよりずっと少ない投資で同じようなメリットを享受し、業務効率改善やビジネスの成長につなげられる世界をつくりたいと考えています。
例えば、飲食店で今まで数十万円のPOSレジを使っていたのを、iPadとPOSレジアプリを導入して、さらにクラウド会計ソフトも入れてしまえば、入力作業もなくなるし、お金のやりとりも全部可視化できます。モバイル決済のアプリも出てきていますし、請求書発行や入金されたかどうかの消し込みなど、手間がかかっていた作業をわずかなコストでどんどん自動化できるようになっているんです。
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