トラフィックの中身まで解析する「次世代ファイアウォール」を世に送り出したパロアルトネットワークス。ネットワークスセキュリティ機器のトップベンダーの1社として地位を確立したようにみえるが、アリイ・ヒロシ社長に言わせると、すでにファイアウォールのメーカーという枠を脱し、端末用のセキュリティ製品や脅威情報の収集・分析サービスをもつ、セキュリティプラットフォームのベンダーになっているのだという。トータルセキュリティを銘打つベンダーは多いが、同社のプラットフォーム戦略はどこが違うのか。
1年半で従業員は2倍以上に
──セキュリティ業界全体で製品がよく売れていると聞きますが、直近のビジネス状況はいかがですか。 個別の市場の業績は公開していませんが、この1年、日本市場の売り上げはグローバルの数字以上に伸びています。どの業界向けということではなく、サイバーセキュリティ製品は全体的にニーズは非常に高いですね。もちろん、昨年、自治体向けにリリースしたLGーWAN用のASPサービスなど、業界のニーズに対応するサービスも需要は大きいです。
──2014年8月に社長に就任されて1年半あまり経過しましたが、そのなかで重点的に取り組まれた施策を何点か教えていただけますか。 営業とマーケティングを中心に、“Go to Market”の体制をいっそう強化しなければいけないというのがまず考えたところです。ハイタッチ営業では、金融、サービス事業者、エンタープライズ、公共の各業界に専任の担当者とSEをつけて、業界別の担当を明確化しました。同時にパートナーの皆様向けのチャネル営業も人員を増強し、ディストリビュータ、リセラーの方々との協業体制を強化しました。マーケティング面も加速しており、今はセミナーなどのイベントも、ウェブ上の活動まで含めると月25~30件を開催しています。
──アリイ社長の就任時点ですでに、パロアルトネットワークスの技術は高い評価を得ていたと思いますが、営業やマーケティングの体制は不十分だったということですか。 それまで不十分だったというわけではないのですが、一つ言えるのは、次世代ファイアウォールですでにデファクトスタンダードの地位にあった当社が、私が入社する前後で、「セキュリティプラットフォーム」のベンダーに変わりつつあったのです。そのため、プラットフォームのメリットをどうエンドユーザーに対してわかってもらうかという課題が生まれ、われわれの組織を変え、マーケティングのメッセージも変えてきました。私がこの会社に来たとき、日本法人の従業員数は50人ほどでしたが、今は約110人の体制です。
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