<“KEY PERSON”の愛用品>仕事に合ったデバイスを アイデアや会議のメモは今でも紙とペン。この手帳カバーは10年近く使い込む愛用品。一方、資料やリポートを読むときは2 in 1端末をタブレット型にして集中する。仕事にはそれぞれ適したデバイスを使い分けるのが生産性向上のコツだ。

眼光紙背 ~取材を終えて~
企業が世の中に向けてどのようなビジョンやメッセージを伝えていくかの策定は、マーケティング活動のなかでも最も重要なミッションのひとつ。江田社長はマーケティングのプロだけに、その言葉はブレることがなく、いつも会社の戦略を明快に説明してくれる。
報道ではPC市場の低迷や、モバイル機器向けプロセッサ市場でのインテルの苦戦が伝えられているが、江田社長の表情はむしろ明るい。協業によってイノベーションを作り出していくという考え方が、IT業界だけでなくあらゆる企業経営者の間で定着したことで、さまざまなデバイスやモノとクラウドを接続し、コンピューティングの未来を拓くというビジョンは実現しやすくなっているからだ。
社長就任前と後の“筋肉の使い方”の違いについて、「社長にはここまでが自分の仕事という範囲がないということですね」と聞くと、少し表現を変えて「範囲を拡げるのが、社長の仕事ですね」と答えてくれた。トップベンダーであっても、新しいことへの挑戦が最重要という信念が強く感じられた。(螺)
プロフィール
江田 麻季子
江田麻季子(えだ まきこ)
米国の医療機関でのマーケットリサーチ・アナリスト職を経て、2000年にマーケットリサーチ・マネージャーとしてインテルに入社。日本法人でマーケティング本部長などを務め、10年からは香港の拠点に赴任、アジア太平洋地域におけるブランドおよびプロモーションに関するマーケティングの総責任者を務める。13年10月、インテル日本法人の代表取締役社長に就任。米インテルのセールス&マーケティング統括本部副社長も兼任する。
会社紹介
1968年、半導体技術者のロバート・ノイスとゴードン・ムーアによって設立された。創業当初は半導体メモリ、続いてマイクロプロセッサを主力商品とし、現在は世界のCPU市場で圧倒的なシェアを誇る。2011年にはマカフィーを買収して100%子会社とし、セキュリティ事業を本格化。昨年は約2兆円を投じてFPGA大手のアルテラを買収した。日本法人は1976年設立で、東京・丸の内と、茨城・つくば市の2カ所に本社を構える。