便利なものが、ICTリテラシーを高める
──教育ICTの普及にあたり、教員がICTに慣れていないということが課題としてあると聞きます。御社としては、この課題にどう対処していくのですか。 今おっしゃられたことは、二つある課題のうちの一つです。先にもう一つの課題についてお話しすると、それはインフラです。タブレット端末は普通教室で利用されますが、無線ですから、生徒がいっせいに同じファイルを使ったり動画をみたりすれば無線の干渉が起きたり、通信速度が急に遅くなったりすることが考えられます。
──こうした課題に対して、御社としてはどのような対策を用意していますか。 無線LAN最適化ソリューションの「Tbridge(ティーブリッジ)」というものを用意しています。TCP通信を最適化して、安定した通信を運用できるようにするもので、これは引き合いも多いです。
それともう一つの課題ですよね。われわれには教務支援システムとして、先生の授業を支援することに特化した製品・サービスがあります。例えば、小・中学校向けの「らくらく先生スイート」では、画面に表示された座席表をタップするだけで出欠が取れたり、生徒の発言回数を記録したりなど、生徒のさまざまな学習活動を記録して蓄積します。そうすると、保護者へもしっかりとフィードバックすることができます。
──教員にとって便利なものを使ってもらうことでリテラシーを高めていくことが、ひいてはICT教材を使って子どもたちを教えていくことにもつながっていくということですね。 本当に便利なものでないと、教員のリテラシーが上がるものではありません。そもそも教員というのは授業を教科書に沿ってやるのが仕事であり、ICTを使うのが仕事ではありませんから、やはり便利なものが利用されるということです。
──他に引き合いの多い製品・サービスは何ですか。 高校・大学では、圧倒的にCALLシステムや語学学習支援システムですね。eラーニングは利用者数が260万人を超えました。また、最近は英語ニュース教材配信サービスの「ABLish(エイブリッシュ)」が、アクティブ・ラーニングとして利用が増えています。
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