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リコーグループとして本格始動

PFU 代表取締役執行役員社長

村上清治

取材・文/安藤章司 撮影/大星直輝

2023/04/17 09:00

村上清治

週刊BCN 2023年04月17日vol.1965掲載

 PFUは主力のドキュメントスキャナ製品のブランドを、富士通ブランドからリコーブランドへと4月から順次切り替えることで、リコーグループとして本格的に始動する。昨年9月のリコーグループ入りから半年余り、グループの相乗効果を国内外で高めていく取り組みを加速させてきた。国内ではデジタル化の入り口としてのスキャナ用途の拡大、リコーの販売チャネルの活用を進めるとともに、欧米市場ではPFUが持つディストリビューター経由で、リコーの360度カメラや電子黒板といった周辺機器を販売するなどクロスセルを推し進める。村上清治社長に話を聞いた。
(取材・文/安藤章司  写真/大星直輝)

スキャナのブランド変更を実施

――この4月から主力のスキャナ製品のブランドを従来の富士通からリコーへの切り替えが始まりました。リコーグループとしてのPFUが本格的に始動した印象を受けます。

 リコーブランドへの切り替えは、4月から8月までをめどに全世界で完了する予定です。主力のスキャナ製品のシェアは高く、国内で約70%、北米で約40%、欧州で約33%となっています。市場規模の大きい北米では有力なディストリビューターや販売パートナーと深い関係を持っているのも強みです。まずは、スキャナ製品のブランドをリコーに変えることで、リコーグループとしての活動に弾みをつけていきます。

――リコーは約840億円を投じて、昨年9月1日付でPFUをグループに迎え入れましたが、改めてその狙いを話していただけますか。

 ご存じの通り、オフィスや作業現場で発生するさまざまな紙文書や帳票、カード類をデジタル化する入り口に当たるのがスキャナです。リコーは2000年にスキャナ単体の事業は撤退して、複合機に統合していますので、当社のドキュメントスキャナはリコーにはない強みであると同時に、業務のデジタル化が急速に進むなか、スキャナの市場はもっと大きく拡大すると見込まれてグループに迎え入れられました。

 複合機でもスキャナ機能を強化していますので部分的な機能は重なるのですが、それでも当社は個人から業務用途まで、小型のものから大型で高速、高性能な機種まで幅広く取り揃えているため、複合機ではカバーしきれない用途まで活用できるのが大きな魅力です。もちろんシワがある紙だったり、厚手だったりしても読み取ることが可能で、カード類や複写伝票にも対応するドキュメントスキャナ本来の機能も非常に高いものがあります。

――単純にリコーグループのドキュメントスキャナ領域を強化することだけが目的ですか。ほかにも期待している相乗効果はありますか。

 分かりやすいのが北米市場で、前述の通り当社は北米で有力な間接販売のチャネルを持っています。リコーはどちらかといえば複合機を中心に直販指向が強い。ただ、リコーも複合機だけ売っているわけではなく、360度カメラやプロジェクター、電子黒板(インタラクティブホワイトボード)などのデバイス類を幅広く手がけているので、当社の販売チャネルで取り扱うことでシェアをより伸ばせるとみています。
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外部リンク

PFU=https://www.pfu.ricoh.com/