アップルコンピュータ(原田永幸社長)は、チャネルとの関係をさらに強化する。昨年はソリューション販売を行う「アップルソリューションエキスパート」の発足、アップル自身の直販部隊の設立、対面修理の再開など、チャネル施策が大きく変化した一年となった。これに続き2002年は、本紙922号既報通りiMac展示店以外の店舗との関係強化を原田社長が明言している。「販売店のみなさんと当社が協力し、本体の販売比率を低くして、設置、トレーニング、サポートといった収益性の高いビジネスを行ってもらう関係を作っていく」(原田社長)という。製品についてもiMacを一新し、「コンシューマユーザーに対しても、当社が提唱しているデジタルハブソリューションを提供していく」(同)と、チャネルと共同でソリューションビジネスの拡大に取り組む。

 02年のマーケットについて原田社長は、「厳しい状況が続くという前提で議論していかなければならないだろう」と、楽観的な見方はすべきではないとの見解を示す。そのうえで、「ソリューションを販売すると多くの人が口にするが、本当の意味でソリューションを売っているわけではなく、実体は相変わらずスペックをもとにした販売が続いている」と、現状のパソコン販売がメーカー、販売店ともに旧態依然のままであることを指摘する。

 これに対してアップルでは、「マッキントッシュはデジタルライフのハブである」という観点から、デジタルハブソリューションを提唱。「ブロードバンドパソコンが、イーサネットポートを搭載しただけでは不十分。当社は本当の意味でブロードバンドソリューションを実現するための魅力的な製品提供と、チャネルとの連携を進めていく」と、製品、チャネルの協力で他社との差別化を図る。

 プロをターゲットとした市場は、景気の影響を受けやすい。昨年の不景気は売れ行きにも影響を及ぼした。それでもビデオ編集などマッキントッシュの得意分野は伸張している。「需要がある新分野については、きちんとした提案を顧客に対して行うことで着実に売上増につながる。販売店の提案力が増えるよう、アップルソリューションエキスパートになってもらい、付加価値の高い販売を進めてもらいたい」と、プロのニーズに対応できる店舗増加を進める。

 「今年から連動を強化したいと考えているノンiMac販売店で、業務マーケット向け販売ができる体制を作ってもらうことで、ウィンドウズユーザーにマックユーザーになってもらうことは十分可能」と、今年から新たに連携を強化する非iMac販売店を核にしたウィンドウズユーザーのマックへの乗り換えも促進していく。

 コンシューマ市場は、アップル製品の販売に力を入れている店舗に対し、店頭内でソリューション展示を行うために、人の派遣などの支援を行っている。1月8日のiMac新製品の日本での発表と同時に、東京・有楽町のビックピーカン、同じく有楽町のソフマップで製品展示を行うなどの協力も行っている。「製品が売れたという受動的なものでなく、製品が売れる能動的な店を作ってもらう」ことが狙いだ。