ガイドによる読み物を中心に

 リクルート・アバウトドットコム・ジャパン(江幡哲也社長、オールアバウト)は、編集方針を明確にし、読者対象を絞り込むことで、より雑誌感覚に近いサイトをつくる。同サイトは、もともと情報検索サイトとしての性格が強かったが、「単なる便利ツールで集客するには限界がある」(江幡社長)ことから、読み物として面白い記事を増やしていく。まず、5月15日にウェブを刷新する。

 オールアバウトは、約250人の「ガイド」からなる情報サイト。昨年01年2月に開設した。旅行や住宅から恋愛、結婚まで、計17種類のジャンルがあり、それぞれのジャンルごとにガイドが運営する約250種類のさらに細かいカテゴリーがある。ガイドは、例えば、園芸に詳しい人、人間関係に詳しい人などの得意分野をもち、なおかつネットを使ったコミュニケーション能力に優れた人が、アルバイトでページを担当する。閲覧者数が多いと“お小遣い”が増える。ガイドは、週に最低1本の記事を担当ページに掲載する。ガイドによっては週2-3本掲載する。この1年間、徐々にガイドの数が増え、記事総数は1万本に達した。開設当初は、「自分の欲しい情報をとりあえずガイドに聞いてみよう」という情報検索サイトの延長線で捉える利用者が多かった。

 その後、記事本数が増えるに従い、読者数が増え、「今では情報検索ではなく、雑誌風の読み物として利用者が集まるようになった。閲覧者数はすでに月間300万人に増えた」(江幡社長)と話す。5月15日のウェブ刷新のポイントは、(1)それぞれのページの読者対象を絞り込む、(2)大人が読んで納得できるコンテンツを増やし、読者の平均年齢を上げる、(3)ほかのサイトへの相互リンクを増やし、段階的に広告や記事体広告を共有する──の3つ。読者の平均年齢は、今年2月末時点で36.4歳。情報検索サイトとしては高い方だ。江幡社長は、「今後は、さらに大人路線を強める。アイドルの画像を必死で検索するような10代のユーザーではなく、記事を楽しむ余裕があり、購買力も高い大人を取り込む。検索機能よりも“雑誌としての面白さ”を追求していくことで、今年度(03年3月期)中に月間閲覧者数を500万人に増やす」と、大人路線での読者拡大に意欲を示す。

 また、読者層を絞り込める記事の書き方をすることで、広告の効果を高める。広告は、バナー広告よりも記事体広告を重視する。「ただ単に露出して効果があるのは、極端に参照数が多いヤフーのトップページくらい。このサイトでは、購買力のある熟年読者を中心に、それぞれの分野で属性分けを進め、記事体広告の効果を最大限に発揮する」考え。250人のガイドは、それぞれの分野の優れたサイトと相互リンクを張っている。将来的には、特定分野で優れたサイトとの連携を強め、記事体広告などを共有する。オールアバウトにとっては、媒体リーチ(露出範囲)が広がる利点があり、提携サイトは広告を得る利点がある。広告主にとっては、媒体リーチが広がっただけ、より大きな効果が得られる。サービス開始後3年目に当たる来年度(04年3月期)には、累計で黒字化を達成する計画。「今のところは、計画を上回るペースで進んでいる」と自信を示す。