バナー広告配信のイー・クラシス(宮下崇俊社長)は、記事配信サービス「フィデリ・ビジネスデータ」を5月1日から始めた。国内外の経済紙や企業・人物情報など約900媒体を集めて、有料で配信する。同社は、国内約6500のウェブ媒体の広告枠に向けてバナー広告を配信している。新サービス「フィデリ」の告知活動は、空いている広告枠に「自社広告」の形式で配信する。これにより、追加の投資をすることなく、大々的な告知活動を展開できるという。今年度(2002年12月期)、フィデリ事業で4億円の売り上げを見込む。

4億円の売り上げ目指す

 配信する記事は、ダウジョーンズや富士通グループのジー・サーチ(森田雅夫社長)、東芝グループのニューズウォッチ(金田直之社長)などから調達した経済情報、全国紙、地方紙のニュース、企業・人物情報など約900媒体分の記事。国内では、日経テレコン21が競合にあたる。イー・クラシスでは、月額基本料金を無料にし、記事を閲覧した分だけ課金する「完全従量制」を採用することで差別化を図る。日経テレコン21は1利用者あたり月額8000円。

 イー・クラシスは、約6500のウェブ媒体へのバナー広告配信事業を手がけている。バナー広告の露出回数は全体で月間5億回。だが、実際に有料でのバナー広告配信は、全広告枠のうち7-8割に抑えている。短期間で数多くの露出やクリックを得たい広告主のために、バナー配信業界では、常にこの程度の“余裕”をもって運営している。

 この“空き広告枠”は従来、自社広告などで埋め合わせをしてきた。だが、今後は新サービスの「フィデリ」の告知活動に活用する。

 こうした“空き広告枠”の効果は「ヤフーBB」で実証済みだ。ヤフーは、空き広告枠すべてに「ヤフーBB」の広告を掲載。追加投資をほとんどせず、大きな告知効果を手にしている。もともと空き枠であったため、バナー広告の売り上げに対する影響はほとんどない。「フィデリ」も、「ヤフーBB方式」で告知活動を展開する。

 宮下社長は、「バナー広告配信網による大々的な告知活動に加え、記事の配信先で各媒体の購読申し込み用のリンクを張ることもできる。ネットに記事を配信しつつ、新規購読者の獲得もでき一挙両得。月間5億回の露出の2-3割を使ってフィデリの告知をするわけだから、相当な露出度を出せる。媒体社からの引き合いも急増している」と胸を張る。

 告知活動を始めた後、フィデリの公式サイトへの来訪者数は月間平均200万人を見込む。このうち、毎月最低1本以上の記事を購入する利用者を今年度末(02年12月期)までに3万人獲得する目標でいる。記事の単価は、最低5円からの単発記事から、1本数万円の企業・人物情報までと幅広い。今年度、フィデリ事業の売上見通しは4億円。これに、従来から手がけているバナー広告配信事業の2億円を足して、今年度に計6億円の売上高を確保する計画だ。

 アドレスは http://www.fideli.com/ 。