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コグノス 今年度、売上高30%増を狙う

2002/05/13 16:18

週刊BCN 2002年05月13日vol.940掲載

加本社の全額出資でビジネス拡大

 コグノス(田上一巳社長)は、今年度(2003年2月期)の売上高で前年度比30%増を目指す。同社は3月1日付で「帝人コグノス」から「コグノス」へ社名変更し、資本も帝人と加コグノスとの合弁形態から、加コグノスの100%出資へとなった。加本社のテリー・ホール上級副社長は、「日本は当社が提供するビジネス・インテリジェンス(BI)ツールの普及がほかの国よりも遅れている。しかしポテンシャルは高く、今年度から本格的にBIツールの普及が進むとみており、当社の全世界規模での売上伸び率15%増を超える30%増を達成できるのではないか」と、日本市場での売上拡大に自信を見せる。

 加コグノス本社のワールドワイドでの売上高は4億9130万USドル。同社はデータの分析・レポーティングなどを行うBIツールの開発・販売を行っている。「BIソフト市場は全体で3000億円程度のマーケット規模ではないか。そのうち、20%のシェアを当社が占めている」(ホール上級副社長)という。

 売上高の国別内訳では、米国が最も大きく、日本法人は「割合としてはまだ少ない」(アジア・パシフィック担当・ジャック・トーマス副社長)のが実情だ。

 ただ、日本市場はその分だけ将来性が高いと見ており、今年度については全世界平均を上回る30%の売上増を目標とする。

 これは、BIツールの普及が欧米諸国に比べ遅れてきたことの反動で、今後「インターネットインフラの拡充など、売上増が見込める環境が整ってきた」(トーマス上級副社長)ことや、今年度から日本法人が加本社の全額出資会社になったことが挙げられる。

 コグノスの日本法人は89年に誕生し、96年に帝人が資本参加したが、今年3月1日付で合弁を解消。加コグノス本社の100%子会社となった。

 ホール上級副社長は、「日本市場でBIツールのシェア、企業ユーザーの獲得など、当初の目的を達成することができた。本社としては、市場拡大の時期を迎えた日本法人の人員増強などを行い、サービスやトレーニングなどの品質をさらに高めていくためには、完全子会社という形態が望ましいと判断した」と話す。

 完全子会社化したことで、営業体制の強化やテクニカルサポートの強化などを行っていく。すでに「現在の東京オフィスに加え、大阪地区など大手企業ユーザーの多い地区への拠点作りなどを行う」ことを決定している。

 日本法人の田上社長は、日本での実績を「具体的な売上額を示すことはできないが、昨年度は30%増を達成した。全世界的に経済環境が厳しいなか、この結果については加本社からも評価されている」と説明する。

 昨年度は日本法人でも教育体制を強化し、トレーニングコースを大幅拡充した。

 また、サービス事業を拡充するため、自社でコンサルティングサービスを実施できるスタッフを増員。さらに、コンサルティングを行う企業4社と提携し、コンサルティングパートナーの立ち上げも行った。

 今年度についても、コンサルティングによりユーザーのプロジェクト支援が行える体制を作っていく。
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