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翼システム エンドユーザー向けにBIツールをチャネル販売

2002/06/03 16:21

週刊BCN 2002年06月03日vol.943掲載

 翼システム(尾上正志社長)は、集計分析ツール「Dr.Sum(ドクター・サム)」販売用のチャネルを構築する。

 同社の主力商品である帳票ツールは、業務システム開発支援ツールとして利用されることが多い。そのため、顧客ターゲットは開発業者などになっており、販売はチャネルを通さない直販がメインだった。

 しかし、ドクター・サムはエンドユーザーがデータベースの再構築し集計分析するためのツール。 そこで同社では直販よりもチャネル販売が適していると判断し、新たに販売網を構築する。

 「ドクター・サムは、外資系のベンダーが開発した高額製品が多い集計分析ツールとしては低価格で、日本企業の実態にあった使い方ができる。大手外資系ベンダーが販売している大規模システム向けBI(Business Intelligence)ツールは自社の業務には使いにくかったという中小企業ユーザーから支持されている」(情報企画事業部マーケティング部広報課・金子清課長代理)。

 大規模BIツールは、単価が1000万円単位で、コンサルティング会社が業務分析を行った上で導入というプロセスをとることになる。 中小企業にとってはこれが導入を妨げるきっかけともなっている。

 そこでドクター・サムは、クライアントごとの使用料金をとらずに、サーバー1CPU、同時アクセス5スレッドで80万円で提供。 高価格が壁となって導入が進んでいなかった顧客層に対して新たな開拓を進めている。

 クライアント側は無償で提供されるエクセルのアドインなので、操作方法はエクセルに準拠し、新たに使い方を覚える必要がない。情報システム部門ではなく、現場で導入しても使いこなすことができる。 新たに構築するチャネルは、全国ネットの販売網をもつ販社を中心にリクルートを行っていく計画だ。

 「ドクター・サムは業種を選ばず利用できるが、他品種他品目の商品データベースで利用すると威力を発揮する。例えば、流通業、製造業などがターゲットユーザーとして想定できる。両業種とも地域を選ばないので、全国に販売網をもつ販社が取り扱うのに適しているのでは」(金子課長代理)

 すでに東芝パソコンシステムが販社となることが決定しており、それ以外にもすでに50社近い引き合いがあるなど、高い評価を得ている。

 現在、販社にアピールするためのツール、デモ、約10件の事例を作っている最中で、6月6日に翼システムが初めて行う自社カンファレンス「翼システム カンファレンス2002」でチャネル構築の表明を行う。 さらに今秋には全国でユーザー向けセミナーを実施、販社への販売支援を行っていくとしている。
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