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エス・アンド・アイ 認証システム「トライセック」を販売

2002/07/08 16:24

週刊BCN 2002年07月08日vol.948掲載

 

 ネットワーク構築のエス・アンド・アイ(木田晴夫社長)は、自社開発の認証システム「トライセック」の本格的な販売に着手した。

 トライセックとは、(1)非接触型ICカード、(2)指紋認証、(3)PKI=公開鍵基盤を組み合わせたシステム。パソコン端末を操作するとき、ICカードと指紋を同時に入力することで、カードの真偽と本人確認の両方を行う。ICカードは社員証として、入退室や勤怠管理にも使える。

 基本システムの値段は、パソコン端末100台と認証サーバー込みで500万円前後。同事業で、今年度(2003年3月期)3億円の売り上げを目指す。同社の昨年度(02年3月期)の売上高162億円(前年度比8.7%増)、経常利益8500万円(同34.9%増)に比べれば、微々たる数値だが、これを中核商材として、セキュリティ関連の事業拡大を目指す。

 マーケティング本部の岸本孝夫本部長は、「英国のセキュリティポリシー規格『BS7799』に基づくコンサルティングから実際の運用支援、ネットワーク構築まで一括して受注する方針」と、トライセックを切り口としたセキュリティシステム全体の商談に結びつける。

 「当社のトライセック担当部門の人員だけでは人数は限られている。仮に1億円の商談が3件集まれば、少なくとも来年3月末まで忙殺されるのは必至。今後は、トライセックをシステム販社に売ってもらうような販売支援策も講じる」と、外販にも取り組む。

 同社は、IBMが50.1%、住友電気工業が33.4%を出資している。これまではIBMからの受託事業が大半を占めた。今回のトライセックは、初めて自社開発した独自のセキュリティシステムとなる。
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