ニュース

インテュイット 会計事務所専用のソリューション

2002/07/08 16:24

週刊BCN 2002年07月08日vol.948掲載

 

来春MARCHシリーズを発売へ

 インテュイット(平松庚三社長)は、同社にとって初めての会計事務所向けソリューション「MARCH(マーチ)プロジェクト」を開始、2003年春の製品発売を目指す。会計事務所が利用する会計ソフト「MARCH-A(マーチ・エー:開発コード名)」、会計事務所の顧問先が利用する会計ソフト「MARCH-C(マーチ・シー:同)」、会計事務所が利用する税務申告ソフト「MARCH-T(マーチ・ティー:同)」の3ソフトを提供する計画。発売時期、価格の詳細は未定だが、「来春には発売したいが3月の需要期に間に合わせることは考慮していない。価格は現状の会計専用機に比べ1ケタ違う価格帯とする予定」(セールス&ビジネスパートナー・ディベロップメント担当兼MARCHプロジェクト統括責任者・古賀早執行役員)としている。

 会計事務所専用ソリューションは、インテュイットにとって初めての商品。

 「弥生会計は、多くの会計事務所や会計事務所の顧問先の事業所で利用されており、当社の試算ではおおよそ5000の会計事務所で利用されている。また、会計事務所向けサービスアイパップは、6月末で1500の加入者があり、会計事務所との連携はこれまでにも行ってきた」(古賀執行役員)という。

 今回新たにマーチプロジェクトでソリューション提供を行うのは、「弥生会計は小規模事業所向けに開発されたソフトで、会計事務所自身での利用はかなり無理をして使ってもらっていた。今回、会計事務所に本当に使いやすいソリューションを提供できるようにする。しかも、弥生への機能付加や他社ソリューションとの連携では実現できない機能、例えばブロードバンドへの対応など最新のソリューションに対応することができる」と、最新のアーキテクチャに対応していくことが狙いのひとつ。

 この特徴が既存の会計専用ソリューションとの差別化となり、「現在、弥生シリーズが会計事務所で利用されているのは、顧問先の事業所が弥生を利用していることが要因。マーチプロジェクトについても、会計事務所側のニーズによって生まれてきた製品であることを最大のメリットとして生かしていく」方針だ。

 マーチプロジェクトのなかで、マーチ・シーと弥生会計はターゲットが重なる部分があるものの、「当分は2つの商品ラインを継続して提供していく。将来的にはプラットフォームの統合が必要になることがあるかもしれないが、具体的な時期などは現在は決定していない」と当分は2つのラインを続ける。

 販売については、「弥生会計の主販売場である店頭にマーチシリーズを置けば、弥生との違いがわかりにくくなることがある。販売形態については今後発売前に検討していく」という。

 発売時期は来春の予定。「03年3月という会計事務所の繁忙期に商品を提供しても逆に導入が難しい。繁忙期が終わったあとで商品を投入する」と4月以降の発売となる見込み。

 現行製品とは1ケタ違う価格を目指すという。

 「現行の会計専用機ソリューションは100-1000万円規模。100万円台の製品に比べ、1ケタ下の価格帯となる」と数十万円単位の価格となることが濃厚だ。
  • 1