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ワイ・ダブリュ・エス フロッピーディスクで不正コピー防止

2002/08/05 16:26

週刊BCN 2002年08月05日vol.952掲載

 

新プロテクトシステムを販売

 ワイ・ダブリュ・エス(渡辺優子社長)は、フロッピーディスクを活用、低コストで簡単にプロテクト処理を行う「プロテクターK」を開発、販売を開始した。同社は税務ソフト「パーフェクトシリーズ」をメイン商品にしているが、当初はノープロテクトで販売していたため、「相当数がコピーされ使われていた」(蓑田健司取締役開発統括部長)という。そこで、独自のプロテクト方式を考案、パーフェクトシリーズに搭載し、ユーザーから高い評価を得た。これに自信を得て、今回外販にも踏み切ることにした。今後、ソフト会社に採用を働きかけていく。

 プロテクターKは、システムフロッピーディスク(FD)に特殊処理を施し、プロテクト処理を行う。

 アプリケーションソフトの供給がCD-ROMになって以来、不正コピーはソフト業界を悩ます大きな問題になっている。しかし、根本的解決策はいまだ確立されていない。ライセンスキー方式、シリアル番号方式、CD-ROMそのものに細工を施すリング方式などがあるが、どれも一長一短があり、いずれも主流にはなっていない。

 この背景には、(1)プロテクトを掛けるとソフトが売れなくなるとソフトメーカーが考えている、(2)ウィンドウズ環境下ではソフトにプロテクトを掛けるのが技術的に困難、(3)プロテクトを掛けるのにコストがかかり、製品単価を上げてしまう――などの理由から。プロテクターKは(2)と(3)の問題を解決できるという。

 CD-ROMには、セットアップするとき正規ユーザー認定カードを所持しているどうかを確認する命令を書き込んでおく。この正規ユーザー認定カードは特殊処理を施したシステムFDで、これを確認しない限り、ソフトのインストールはできない。

 システムFDには、「インストール可能件数(所有ライセンス数)」と「すでにインストールしている件数」を比較する機能などを搭載、きめ細かいプロテクト管理が可能になる。

 「システムFDをもたないユーザーはソフトのインストールができない。システムFD自体のコピーはできないようになっている。ただ、パソコン本体が壊れたので別のパソコンにインストールする場合があるなど、さまざまなケースに応じてきめ細かい管理ができるようにしている」という。

 販売価格は、100枚セットの場合1枚当たり800円、10万枚セットなら1枚当たり150円。

 「きちんとマナーを守るユーザーは多い。ソフト業界としては、こうしたモラルの高いユーザーを大切にしなければならない。そうしないとソフト業界の成長は危うい」と蓑田取締役は強調する。
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