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エルザジャパン 日本法人、独自で事業展開 ブランド力向上に注力

2002/08/26 16:26

週刊BCN 2002年08月26日vol.954掲載

ビデオボードメーカーのエルザジャパン(鉛谷貞次治郎会長=写真)は、日本市場でのブランド力向上を図る。チップメーカーなどOEMメーカーとの提携を拡充し、年内には国内外合わせて5-6社と提携する計画だ。これにより、高品質な製品を市場投入する。同社は、独エルザAGの日本法人だったが、02年5月末に独本社が倒産。資本参加していたコンサルティング会社が株式を100%買い取り、本社から独立して事業を展開することになった。今年度(02年12月期)の売上高は、約16億円の見通し。

エルザジャパンは、本社の独エルザAGが今年5月末に倒産したが、同社に5%出資していたコンサルティング会社のテクノロジー・ジョイントが全株式を取得、02年7月から本格的に日本独自で事業展開することになった。鉛谷貞治郎会長は、「今年度上期(1-6月)は、本社倒産の影響で、売上高が前年同期比で30%減だった」と打ち明ける。

7月以降は、日本独自での事業が本格化し販売が回復。売上高が前年同月比20%増となった。「8月も前年と比較して2割増で推移するのではないか」と分析する。鉛谷会長は、「本社が倒産したにも関わらず、日本法人の社員が流出しなかった。エルザジャパン独自で展開できる分、日本でいち早く製品を市場投入できることが強みとなる」と強調する。これまでは、本社が製品の企画・開発を行っていたため、日本市場に製品を投入するまでに6か月ほどかかっていた。

それが日本独自の事業展開によって、企画から製品投入まで約3か月と時間短縮を図ることができるという。今後は、チップメーカーなどとの提携を増やしていく。年内までに国内で2社、海外で3-4社との契約を締結する予定。また、同社の製品をOEM供給している企業との協業も強化する。「OEM供給先は増やさずに、その企業のさまざまな製品に、当社のグラフィックスボードを組み込むような企画を提案していく」という。
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