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内田洋行 情報システム系商材を拡充へ 手始めにサイボウズのグループウェア

2002/09/09 16:30

週刊BCN 2002年09月09日vol.956掲載

 

 内田洋行は、企業内ポータル(EIP)や営業支援システム(SFA)など、基幹系システムと連動して動く情報系システムの売り上げを、今年度(03年7月期)、2倍に増やす。情報システム事業のうち、非基幹系システムの売り上げ比率は15%(昨年度実績)に過ぎず、今年度はこの比率を30%に高める。内田洋行では、独自の基幹系システム「スーパーカクテル」を中核商材と位置づけていることから、「これまで基幹系ばかりに注力し、情報系システムへの取り組みが遅れていた」(情報システム事業部・秦輝雄取締役事業部長)として、今年度は基幹系システムの使い勝手向上に向けた情報系システム商材の拡充に力を入れる。

 内田洋行のパートナー販社は約100社。主力基幹系システム「スーパーカクテル」を中心に販売している。だが、これまで同システムばかりに注力してきた結果、「基幹系を有効に使う情報系システムの品揃えが少なく、パートナー販社に十分な商材提供ができなかった」と、基幹系1本では顧客満足度が高まらないと判断。情報系商材の拡充に着手した。

 まず、第1弾として、9月からサイボウズのグループウェア「ガルーン」の販売を始める。

 内田洋行では、ガルーンをスーパーカクテルの情報を呼び出す企業内ポータル(EIP)として売り込む。サイボウズの操作画面は「簡便で分かりやすい」と定評があり、基幹系システムの使い勝手が向上する見込みだ。ガルーンでスーパーカクテルの使い勝手を高める手法を確立したのちは、パートナー販社に構築ノウハウを提供する。

 「基幹系システムを押さえるのが、当社情報システム事業部の使命。しかし、基幹系だけでの売り込みには限界がある。当事業部の年商約500億円のうち、非基幹系は15%を占めるに過ぎない。グループウェアのノーツ販売実績も50-60社しかなく、他社に比べて情報系に弱い」のが課題。

 「スーパーカクテルを中心とした基幹系をさらに使いやすくし、顧客満足度を高めるには、今回のサイボウズや、SFA、顧客情報管理(CRM)など、基幹系を周囲で支える情報系システムをバランスよく提案することが不可欠。今年度(03年7月期)は、同比率を2倍の30%までに高める」と意気込む。

 EIP・グループウェアは、サイボウズを採用したが、ほかのSFAやCRM、モバイル関連の商材については、まだ“コレ!”というものが見つかっていない。そこで、主力のスーパーカクテルを引き立て、より使い勝手のよいものにするために必要な情報系パッケージソフトの選定を進める。

 パッケージ選定後は、内田洋行の直販部隊が中心となり、互換性や投資対効果を検証。パートナー100社が売りやすい販売体系を整えて、全国への展開を図る。
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