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FEC 手書き入力のeラーニング 教育機関向けに販売

2002/09/16 16:29

週刊BCN 2002年09月16日vol.957掲載

 エフ・イー・シー(FEC、宮澤裕一社長)は、「手書き入力端末」と「ネットテレビ電話」を組み合わせた独自のeラーニングシステムの販売を10月から本格的に立ち上げる。学習塾など教育機関向けに売り込む。ネットを使う部分は、月額料金を徴収するASP方式で貸し出すことで、継続的な収益を得る。今年度(2003年8月期)は、1万人の利用者を見込む。

 同システムの最大の特徴は、手書き入力ができる点にある。A4版の画板形状の手書き入力端末「エリア」は、USBケーブルでパソコンにつなぐ。また、エリア上で書いた図像を、即座にネット上に転送できる。

 10月からエリアの量産体制が整い、本格的な受注・出荷を始める。

 エリアの具体的用途としては、通信教育で、教師が生徒の記入した答案用紙などを添削するときに使う。(1)教師が作成した問題集を電子メールで生徒に送る、(2)生徒は問題集を印刷し、エリアの上に置いて回答する、(3)書き込んだ内容は即座にパソコンのなかの電子的な問題集の上に転写され、そのまま教師の元へ電子メールで送る――という具合だ。

 また、ネットテレビ電話を使ったリアルタイムのeラーニングとしても利用できる。教師と生徒の1対1、あるいは教師1人に生徒10人程度の利用を想定する。

 ここでも、「エリア」が活躍する。エリア上で描いた図像が、ネットテレビ電話上の画面に映し出されることから、教師と生徒のあいだでの意思疎通が大幅に向上するという。

 秋田直已常務取締役は、「これらのシステムを、用途に応じて、1人あたり月額数百円から1000円前後のASP方式で貸し出す。将来的には、同システムに合った教育コンテンツ(教材)を流通するプラットフォームに仕立てる」考え。

 学習塾や教育機関向けに販売し、今年度(03年8月期)1万人、来年度(04年8月期)には3万人の利用者を見込む。

 システム構築が発生する部分については、システム販社4-5社と提携する予定。

 同社は、学習塾「明光義塾」を運営する明光ネットワークジャパンの100%子会社で、01年12月に起業。今年度の売上高は3億3000万円、経常利益1億円、来年度は売上高4億8000万円、経常利益1億5000万円を見込む。

 アドレスはhttp://www.fec-net.com/。
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