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ザップシンク XMLとウェブサービス中心に激化する市場

2002/10/28 16:32

週刊BCN 2002年10月28日vol.963掲載

 米調査会社のZapThink(ザップシンク)は、XMLおよびウェブサービスのセキュリティ市場規模が2006年にワールドワイドで44億ドル規模になることを予測した。ウェブサービステクノロジーが普及するためには、セキュリティの脆弱さが最大の障壁となっており、ウェブ関連のセキュリティ市場には多くの新興企業が参入するとみている。セキュリティベンダーがXMLおよびウェブサービスを自社の製品に組み込むため、06年までにセキュリティ製品のほとんどがXMLおよびウェブサービスに対応するという。

06年に44億ドル規模と予測

 ザップシンクのジェイソン・ブルームバーグ・アナリストは、「XMLおよびウェブサービスの発展において、セキュリティが大きなカギとなる。XMLとウェブサービスを導入したいという需要はあるものの、『セキュリティが不十分なのではないか』という不安を抱く企業が多い」と指摘する。02年については、XMLおよびウェブサービス・セキュリティ市場が「発展途上の市場であるため、ごくわずかの市場規模でしかない」(ブルームバーグ・アナリスト)と分析する。

 ロナルド・シュメルツァー・シニアアナリストは、「一定期間は新興企業が多く参入する。各ベンダーが自社のメッセージを明確に伝え、顧客ニーズにあった製品を提供する企業が増えるまでは、競争が激しくなる可能性が高い」とみており、「この競争下でシェアを獲得するのは、大半が先行企業だといえるが、ビジネスモデルや優れた技術などをもつ新興企業は、堅牢なXMLおよびウェブサービスのセキュリティソリューションを提供することでシェア拡大が可能。ビジネスチャンスが高い市場にもなる」という。

 こうした競争市場により、XMLおよびウェブサービス・セキュリティの需要がピークに達するのは03年。04年にワールドワイドで10億ドル以上、05年に20億ドルを超える市場規模になるとみている。また、06年には、セキュリティ市場全体の65%に相当する44億ドルに達すると予測する。また、「日本市場だけがこの流れに反するとはいい難い。ワールドワイドの成長とともに拡大していくのではないか」(シュメルツァー・シニアアナリスト)と考えている。
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