ミノルタ・キューエムエス(ミノルタQMS、中冨基介社長
=写真)のプリンタ事業が黒字基調で推移しているなか、中冨社長は、「ソリューション・プリンティングでカラープリンタ市場をきめ細かく掘り起こしていく」方針を明らかにした。昨年、ミノルタは完全子会社化したQMSの営業権を見直し、巨額の評価損を計上した。今年は「モノクロも含めると1か月に1機種ペースで新製品を発表しており、製品ラインが整ってきた」こともあり、とくに欧米で好調な売り上げを示している。
ミノルタQMSは、世界最小のカラープリンタ機「magicolor2300DL」を日本で9月18日に発表したが、欧米では先行発売し、ブーム的症状を呈して売れ出しているという。
4-6月期の実績は、ヒューレット・パッカード(HP)を抜いてトップシェアを確保している。「日本ではA4機の市場はそれほど大きくないとされているが、価格と掘り起こし方によっては潜在市場の開拓が可能だ。欧米のブームを日本でもぜひ再現させたい」(中冨社長)という。
モノクロプリンタも含めると、今年は「すべてミノルタ純正エンジン」を搭載した新製品を活発に投入、「製品ラインが整ってきた」ことで販売活動に弾みがついているという。これから登場待ちなのが、A3タンデム機。富士通との合弁会社「エフ・アンド・エム・イメージングテクノロジー」が鋭意開発中の新製品だが、同機の登場をにらみながら、「ビジネス用途からコンシューマ用途まで全方位でカバーできる体制を作っていく」方針だ。とくにビジネス用途については、「ネットワークに強いQMSのブランドイメージは日本でも健在だ。根強いQMSファンがいるので、この層をベースにしながらビジネス拡大を図る」としている。