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大塚商会 「たのめーる」の食品・飲料販売を強化

2002/11/25 16:36

週刊BCN 2002年11月25日vol.967掲載

 大塚商会は、オフィス通販事業「たのめーる」で、来年度(03年12月期)末までに推定500億円(今年度の2倍)の年商を目指す。成長の原動力は、主力のOAサプライに加え、10月末から始めたイトーヨーカ堂の食品・飲料の販売だ。これまで、競合のアスクルとの差は、主に食品・飲料などの品揃え内容の違いだった。この差を埋めることで、シェア拡大を目指す。

イトーヨーカ堂と提携

 大塚商会の調べによれば、オフィス通販の場合、2つの通販会社の価格を比較して発注を分けるのは全体の2割程度。ほとんどが、「1か所でまとめて購入できる便利さ」を評価して購入するという。カタログによる値段の比較は“時間の無駄”だと発注者は判断していると分析する。

 「根強い人気がある食品・飲料の品揃えがアスクルより弱かったため、メインの通販会社に選ばれないケースが少なくなかった。今回、イトーヨーカ堂から同分野の商材を調達できるようになったことで、巻き返しの目途がたった。いったん顧客から選ばれれば、主力のOAサプライ分野で強みを発揮できる」(松尾高史・MRO事業部商品企画部長=写真)と意気盛んだ。

 小売りのイトーヨーカ堂が「卸販売」をするのは、今回の案件が初めて。主に独自商品のプライベートブランドを中心に卸すものの、情報システムが「法人向けの掛け売り」に対応していなかった。この問題を解決するために、NTTコミュニケーションズが推進するウェブベースのEDI(電子データ交換)サービス「UTRAD(ユートラッド)」を採用した。構築期間は2か月。

 「イトーヨーカ堂への発注をFAXで送るという方法もあった。しかし、取り扱いアイテムが開始当初で50-60種類ある。今後、さらに増えることを考えれば、破綻するのは確実。異業種間でのEDI構築は費用も時間もかかり現実的ではない。そこで、すでに基盤ができているUTRADを使った。トランザクション数にもよるが月額数千円で利用できるのも魅力」と話す。

 現在、オフィス通販市場の勢力図は、アスクルが6割、たのめーるが2割、カウネットが2割と言われる。大塚商会では、来年度末までに、全体の3割以上のシェアを目指す。今回、品揃えを強化する食品・飲料系の商材は、残業時などに夜食代わりに買いだめする需要が根強くある分野。「大企業では社員が割り勘で購入することが多い」という。たのめーるは、大塚商会の約25万社の顧客企業を中心としたオフィス通販サービス。
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外部リンク

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