NEC(西垣浩司社長)の社内カンパニー、NECソリューションズのPDA(携帯情報端末)事業の再編が始まっている。今年3月、ウィンドウズCEを搭載したキーボードタイプの「モバイルギア」の生産を終了し、この10月にはポケットPC搭載の「ポケットギア」の生産も完了した。今後は受注生産体制とする。企業向けPDA事業に関しては、関連子会社のNECインフロンティアへ移管。NECソリューションズでは今後、個人向けPDA製品に特化した事業展開を図っていく。

 NECは、4種類のPDA製品を扱ってきた。

 キーボードを搭載した「モバイルギア」は、1996年4月の以来、累計56万7000台の出荷実績をもつが、同製品は今年3月で生産を終了し、現在、キーボードタイプは同技術をベースにNTTドコモ向けにOEM(相手先ブランドによる生産)供給している「シグマリオン」だけとなっている。

 ポケットPCを採用した「ポケットギア」については今年10月、企業向け事業を関連子会社のNECインフロンティアに移管。個人向けに関してはNECソリューションズに残したものの、量産は10月の段階で終了した。

 一方、NECインフロンティアは11月に入り、企業向けの専用PDA「Pocket@i」を新たに投入。「チャンスがあれば、OEMビジネスにも乗り出したい」(齊藤紀雄・NECインフロンティア社長)と、新開発のPDAによる展開に意欲を見せている。

 NECインフロンティアでは、「企業向けPDA製品を当社の第3の柱に育てたい」(齊藤社長)としており、対応業務用アプリケーションの品揃えなどをパートナー戦略を通じて進めていく考えを示している。

 市場別に分類すれば、今回の一連の事業再編によって、企業向けPDAはNECインフロンティアで、個人向けPDAについてはNECソリューションズで取り扱う体制になった。個人向けが中心となるNTTドコモ向けのシグマリオンは、NECソリューションズの担当となる。

 今後、個人向けPDAに関しては、新たな製品企画および体制再構築が急務。NECソリューションズの成澤祥治・クライアント・サーバ事業部PDA部長は、「今年末から来年にかけて、個人向けPDA製品の市場性やターゲットを明確化し、来年夏を目標に新たな個人向けPDA製品群を投入することになるだろう」と話す。

 また、「一度生産を中止したキーボードモデルについても、新規製品企画の検討対象になっている」としている。

 国内のPDA市場は、年間100-150万台規模であるにもかかわらず、国産、外資系を含め数多くのメーカーが参入、勝ち組と負け組が明確になっている。

 NECは市場別に事業体制を再編することで責任を明確化し、生き残りを賭けることになる。