ショッピングモールサイト「学美舎(まなびや)」を運営する静岡女子商業高校(静岡市、増田正史校長)は、サイトオープンから1年が経過したことを受け、出展企業や報道関係者を招いて記念式典を開いた。「学美舎」は、高校生だけで運営するショッピングモールサイト。教育機関と一般企業の壁を取り払った“実践授業の場”として注目を集めている。

高校生だけで運営の注目サイト

 「学美舎」は文部科学省と総務省が推進する「次世代ITを活用した未来型教育研究事業」の研究指定を受け、2001年12月に開設された。

 一般企業さながらに、生徒に「社長」や「部長」などの役職を設けるなど、「一般企業と同じような体制を取り、生徒だけでサイトを運営させることで、本格的な実践教育に結び付けている」(同校の久保田和夫教諭)という。

 オープン当時は約50社だった参加企業数も、現在は約90社とほぼ倍に。最近では各マスコミに取り上げられることも多く、出展企業は静岡県だけにとどまらず、関東や関西、四国と全国に広がっている。

 売上高も知名度の向上とともに順調に推移。一度も前月を割ることなく右肩上がりで成長し、11月には合計で400万円を突破した。同サイトに参加する生徒数も開設当時は64人だったが、現在は164人と、全生徒数の約3分1が参加するという人気ぶりだ。

 記念式典では、3年生の卒業も近いことから、2年生への「役員」の引き継ぎが行われた。

 2代目社長を務めた大石奈々恵さんは、記念式典で「今は淋しいというより、荷が降りたというのが正直な感想。しかし、サイトを通して学んだことは非常に大きい。将来はこの経験を生かしてウェブに関わる仕事に就きたい」と抱負を語った。

 新社長に就任した海野佳美さんは、「辛いことも多いだろうが、やり甲斐がある。この1年間の経験をもとに『学美舎』をより一層盛り上げていきたい。まずは出展企業を2倍以上に増やすことが目標」と意欲的だ。

 久保田教諭は、「在学中から生徒が実社会の企業と接し、会社というものを真剣に考える機会をつくれている」と話す。

 「地元高校生の教育のため」と、考える企業の支援があっての運営ではあるが、地域社会と学校の結び付きを強め、地元の活性化に一役買っていることは確かだ。