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東京システムエージェンシー 地域活性化狙い石巻市に自社ビル

2002/12/09 16:49

週刊BCN 2002年12月09日vol.969掲載

3年で30人の開発・製造拠点に

 東京システムエージェンシー(TSA、高橋芳紀社長)は、石巻トゥモロービジネスタウン(石巻TBT)内に自社ビルを建設、石巻営業所をそこに移転して来年から本格稼働を始める。高橋社長は、「地方のIT推進に少しでも役立ちたい。宮城県北部、沿岸部は過疎化も進んでいるが、地元の人材を採用し産業活性化に努めたい」としている。 同社は1980年9月の創業。高橋社長はCSK勤務ののち一念発起して独立、大手メーカーの基幹業務に関連するシステム開発、運用業務をメーン事業として発展してきた。

 とくにNECとは密接な関係をもち、NECが先に稼働させた新営業システムの開発にも深く関わってきた。業績は、00年12月期決算での売上高が8億6800万円、01年12月期の売上高は12億3000万円だった。現在の社員数は74人。

「汎用機種からパソコン関連の開発運用、ネットワーク関連の業務までトータルにサービスできる人材の育成に努めてきたが、その成果が形になり出している」という。

 石巻市は高橋社長の生まれ故郷。89年には営業所を開設していたが、同市が大規模な企業団地を建設するのに対応、同団地への移転を決めた。

 石巻TBTは、地方拠点都市法に基づき、地域振興整備公団が宮城県や石巻市と共に整備している。約24ヘクタールにおよぶ企業団地になる予定で、事務所や研究所の誘致を積極的に行っている。

 同社は、そこに進出する4社目の企業として名乗りを上げ、自社ビルの建設を続けていた。

「IT産業は、このままいけば東京一極集中になりかねない。だが、ブロードバンドをうまく生かせば、地方にも活路があるし、地方にこそ向いている業務もある。開発・製造拠点として、3年で30人ぐらいの社員を目標に地域活性化の役に立ちたいと」というのが高橋社長の思いという。

 地方の活性化をITに求める動きは今後も活発化すると見られるだけに、同社が成功すればそうした動きを加速することになりそうである。
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