デルコンピュータ(浜田宏社長)は、2003年の事業方針として「コンシューマ分野における本格展開」、「エンタープライズ領域への事業強化」などを掲げた。浜田社長は、「法人向けパソコン事業を核に、コンシューマ、エンタープライズへと幅を広げる。周辺機器の投入も今年の大きなトピックになるだろう」と、事業領域のさらなる拡大に意欲を示す。

コンシューマ分野に本腰

 デルコンピュータは昨年、日本におけるビジネス領域を急速に拡大してきた。法人向けパソコンにとどまらず、サーバー、ストレージ、サービスという「3S」での事業基盤を確立したほか、これまで慎重な姿勢を崩さなかったコンシューマ分野での事業展開に本腰を入れ始めたことが特筆される。「コンシューマ分野に関しては、日本におけるデルのブランドが熟成したこと、財務基盤が安定してきたこと、そして、サポートセンターの規模もナンバーワンを維持できる体制になってきたことで、いよいよコンシューマ分野に打って出ても大丈夫だと判断した」と浜田社長は語る。

 テレビCMなども本格化。昨年前半には約1割程度の事業比率だったコンシューマ分野を昨年末には2割以上にまで拡大してきた。同分野は、今年も重点分野の1つと位置づけており、売上高で前年比1.5倍の成長を目指す。「できれば、前年同様2倍程度の伸びを見込みたい」としている。将来的にはコンシューマ分野の事業比率を4割程度にまで引き上げる構え。エンタープライズ分野においては、デルテクノロジーコンサルティング(DTC)が累計で500件の案件を受注しており、すでに米国で実績をもつHPCC(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング・クラスタ)分野への新規参入、さらに、ストレージ事業の拡大を図る。

 ストレージ事業に関しては、依然として成果が出ていないとの指摘もあるが、「日本の場合、人材を獲得するのに時間がかかるという点が大きく影響した。だが、02年になんとか体制ができた。03年はストレージ事業が大ブレイクする1年にしたい」と意欲を見せる。IAサーバーについては、トップシェア維持を最大のテーマに事業拡大に取り組む方針。昨年行ったサーバー技術者社内認定制度も、再度実施する考えだ。一方、周辺機器事業に関しては、プリンタ、PDA(携帯情報端末)、ネットワーク機器、プロジェクターなどを年内にも投入する予定。プリンタに関しては、下期に投入する公算が大きい。

 「この分野ではトップシェアを取るというよりも、トータルソリューションを提供する上でのツールと位置づけたい。プリンタはコンシューマ、企業の両分野を想定した製品を品揃えしたい」としている。また、日本市場の要求を反映したパソコンも、昨年以上に投入することになるとしている。浜田社長は、「今年は、昨年以上に多様化したビジネスを展開したい。統合的なコンピューティング環境を提供する企業に脱皮したい」と抱負を語っている。