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カノープス 放送受信機器の事業拡大へ

2003/02/10 19:12

週刊BCN 2003年02月10日vol.977掲載

TVチューナー、初回出荷台数を引き上げ

 カノープス(藤原睦朗社長)は、国内での放送受信機器事業に注力、テレビチューナー「MTV」シリーズの新製品「MTV3000W」を2月14日に発売する。同製品の前機種にあたる「MTV2000」は発売当初、供給が追いつかないほどの売れ行きだった。そのため今回は、初回出荷台数を数倍以上に引き上げる。同社では、「国内では放送受信機器製品事業が拡大する」(藤原社長)とみている。

 同社のテレビチューナーボード「MTV」シリーズは、パソコンマニアを中心に人気が高い。BCNランキングによると、1月における映像関連ボードのメーカー別販売シェアは、同社が台数ベースで10.4%のシェアで3位、金額ベースでは19.7%で1位を獲得した。主力製品の「MTV2000」を核に上位シェアを維持し続ける。「MTV3000W」は、パソコン用で業界初のテレビチューナーユニットを2個搭載しているのが特徴。ダブルユニットは、裏番組録画や2番組同時視聴が可能になる。価格は6万4800円。

 「MTV2000」は発売当初、供給が追いつかないほどの売れ行きだったという。藤原社長は、「前回は供給が追いつかずに販売機会を失った。今回は、初回出荷を前回の数倍以上に引き上げる」と話す。パソコン専門店や量販店などへの販売支援策については、発売日から同社の従業員が全国の主力店舗に販売応援に出向き、店頭デモを実施する。今年度(2003年2月期)の8月中間連結業績は、売上高が前年同期比27.9%増の56億7100万円、営業利益が同146.1%増の11億600万円、経常利益が同123.4%増の10億1800万円、中間純利益が同183.5%増の5億1200万円と、大幅に業績を伸ばした。

 現在、主力ビジネスはビデオキャプチャーボードやデジタルビデオ編集ボード、ノンリニアビデオ編集ボードなどを開発するビデオ機器製品事業で、売上比率は47%近くを占める。テレビチューナーボード開発の放送受信機器製品事業の売上比率は約27%だ。

 藤原社長は、「国内では、テレビチューナー搭載のパソコンが人気を集めている。パソコンでテレビを見るという意識がテレビチューナーボードへの関心をさらに高め、販売増加につながる」と、ビデオ機器製品に加え、放送受信機器製品が主力事業になることを示唆した。
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