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アイ・オー・データ 機器法人向け営業売り上げが4倍へ

2003/03/10 19:14

週刊BCN 2003年03月10日vol.981掲載

ストレージ製品も好調

 アイ・オー・データ機器(細野昭雄社長)の企業向け営業部隊が健闘している。同社東京営業所内の企業向け営業部門であるビジネスシステムグループ(BSG)の今年度(2003年6月期)売り上げ見込みは、前年度比4倍の8億円。また、企業向けストレージ製品「アイオープロ」の販売も好調で、今年度10億円を売り上げる見通し。BSGでは最終的に売り上げ20億円を目指しており、数年後、アイオープロと合わせて30-35億円のボリュームになる。

 アイ・オー・データ機器は、OEM(相手先ブランドによる生産)方式での販売は手がけてきたものの、自社ブランドの製品をそのまま企業に売り込む営業力は弱かった。

 そこで、(1)東京営業所内にビジネスシステムグループ(BSG)を開設、(2)別の事業部内に企業向けストレージ製品「アイオープロ」を立ち上げた。

 BSGの境洋臣セクションマネージャーは、「BSGが営業を始めたのは01年7月。開設後3か月は飛び込み営業の連続で、売り上げはゼロ。USB接続型フラッシュメモリに顧客社名を入れる「名入れサービス」など、細かい受注を重ねて、昨年度末(02年6月)、ようやく2億円を稼いだ。だが、今年度に入り、通信事業者やソフトウェアライセンスなど大口案件が増え、売り上げは8億円に増える見通し」と、意気揚々だ。

 BSGでは、来年度(04年6月期)、10億円以上の売り上げを計画しており、最終的には20億円に増やす。既存製品を企業向けに販売する手法を開発することで、これまで取りこぼしていた需要を捉える。携帯電話向けのGPS(全地球測位システム)を、NTTドコモに売り込んだのもBSGの手柄だ。

 わずか3人のBSGが8億円の売り上げを立てたことを受けて、大阪営業所内にも、同様のBSGを開設する意向が強まっている。

「東京だからトントン拍子で企業向け販路を開拓できたが、地方では難しい。しかし、大阪ほどの規模があれば、うまくいくかもしれない」と、第2のBSG開設に向けて前向きに検討する。

 同社では、東京営業所のBSGとは別に、ネットワークソリューション事業部で、企業向けの「アイオープロ」ブランドを昨年6月に立ち上げた。

 ここの売り上げが、今年度10億円に達する見通しで、BSGと合わせて約20億円近くになる。全社売り上げの635億円(今年度見込み)に比べればまだ少ないものの、「潜在力は大きい」と話す。
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